校長 小林です
2020年から実施されている現行学習指導要領では「主体的で対話的な深い学び」の実現が提唱されています。当初はこれを「アクティブラーニング」というような言葉で表されていました。長らく学校現場では先生が児童・生徒に知識を「教え込む」形の授業が展開されてきましたが、そこの大きな方針転換とも言えます。なぜ、主体的で対話的な深い学びなのかというと、主体的で対話的な深い世の中の変化のスピードは想像を超えて早く、5年、10年先は予測不可能で、とても教師から授かった「知識」だけで乗り切っていくことは困難です。まずは「知識」というものを「知っていること」という捉えから「何が理解できていて」「何をどのように使っていけるか」という捉えに発想を転換していかなくてはいけません。そのためには自分自身で課題意識をもって動ける人に育つこと、他者とのかかわりの中で考えを広げ深めていける人に育つことが必要だということから「主体的で対話的な深い学び」というキーワードが出てきました。
本校でも授業の中のあらゆる場面で「主体的で対話的な深い学び」を実現するための取り組みが行われています。一つは討論する場面では座席配置をコの字型にして、お互いの顔が見られるような形にします。たかが座席配置ではありますが、このことにより討論が活発化するのです。もちろん討論は自由に任せるのではなく教員はファシリテーター(会議などで中立的な立場に立った上で出た意見をまとめ、より良い結論に導く役割を担う人)の役割をして、授業を進めていきます。また、「討論」までいかなくても、ちょっとした場面で「近くの人と意見交流をしてみて」と言って話し合いを促すことはよくあります。このような活動により、自分の考えを広げ、深めることができていきます。