学校だより冬休み号の読み物をプレゼントがわりに
世界一美しいクリスマスツリーの噺 校長 有明 志郎
昔むかし、カナダの山奥の猟師の家では、クリスマスの夜には、
子どもたちを連れて雪深い山へ入っていくそうな。
お父さんには慣れた山道でも、子どもたちは真っ暗な雪の中を
恐るおそる進んでいく。お父さんから離れないようにね。
やがて、一番大きなモミの木のそばに着くと、雪の中に固まって
うずくまり、時が来るのを待つんだ。分厚いダウンに包まった
子どもたちも、眠たい目をこすりながら。
夜空には、月がきれいに輝いている。
そこへ山奥に住むヘラジカたちが、樹に付いた実やコケを食べに
やって来る。子どもたちは息をのんで、ヘラジカたちが食べ終わるのを待っているよ。
シカたちが行き過ぎた後、不思議なことがおこる。
なんとモミの木が光りだす。そうなんだ。シカのなめた跡が凍って
クリスタルみたいになる。そこに月の光が当たるとキラキラ輝きだすんだ。
なんとも言えない美しさだ。
これで世界一美しいクリスマスツリーの噺は終わりです。おやすみ。
(よいお年を!)