2025年7月アーカイブ
今日は、校内教育支援教室に来ている男の子と家庭科の学習(手縫いの実習)をした後、10分ほど余った時間で、僕がずっとしたかった哲学対話を校内教育支援教室に来ているもう1人の女の子も合わせて4人でやってみました。
僕は、苫野一徳さん(教育学者・哲学者)が大好きで、ほとんどの本を読んでいるのですが、その中に「親子で哲学対話」(大和書房)という本があります。その本は、苫野さんが当時小学校5年生の娘さんと寝る前の10分間で、物事の本質を考え、言葉にしていく「本質観取」という哲学対話をしているやり取りが記録されていて、それがとても楽しそうなのです。
校内教育支援教室に来ている男の子と最近話している時に、物事の本質を語っているような偉人の名言が好きということが分かり、哲学に興味がありそうだなと感じたので、
「哲学対話ってあるんやけど、やってみない?」
と聞くと、
「うん」
と受け入れてくれたので、一緒の部屋で過ごす女の子とともに本に書かれている手順に沿ってやってみたのです。
本当はテーマ設定のところも対話の中で決めていくのですが、今日は僕が「幸せとは」に設定して始めてみました。
本に書かれている手順は
①本質が分かるとどんないいことがあるか、なぜこのテーマで本質観取をしたいのかを話し合う。
②経験から、テーマに関する様々な事例を挙げていく。
③すべての事例に共通する本質的なキーワードを見つける。
④最も核心を突いた言葉で、本質を言葉にしてみる。
⑤見つけ出した答えが、最初の問題意識に答えるものになっているか確かめる。
というもの。今回は初めてということと、時間も10分だけだったので、十分には本質まで迫ることができませんでしたが、一応、「幸せとは・・・・だ。」という言葉にしてみるところまで辿り着いたので良かった。
何よりも、男の子が自分から「また哲学対話やろう。」と言ってくれたのが嬉しかったです。女の子の方もきっと次も参加してくれるんじゃないかな。
僕も楽しみ。予測不可能なことが起こる時代、哲学的思考は社会を生き抜く武器になる。
写真は、初めての哲学対話で使用したメモ。「気楽」ではなく、幸せを感じるときは、喜怒哀楽の喜と楽が共通しているから、「喜楽」だ!となったのが面白かった。もう少し時間があれば、①をもう少し深めるとともに⑤の確かめることもやってみたい。そうすれば、本質観取の哲学対話をやる意味が分かるから。
今日は1学期最後のクラブ活動。
そのタイミングで本校を担当していただいている吹田市教育委員会の指導主事が学校訪問してくれました。
ということで、一緒にクラブ活動の様子を見て回っていただきました。
運動クラブは、エアコンの入った体育館で活動。中に入ると本当に涼しくて快適。これなら体を思い切り動かしても大丈夫!という感じでした。
グラウンドゴルフクラブは、WBGTが31を超えていたため、教室内での活動となり、トランプをして楽しんでいました。
ダンスクラブは、場所を数か所に分かれて活動していたのですが、自分たちで曲を決めたり、動きを相談しながら決めたりしていました。指導主事もその様子をみて、「主体的に動いていてすごいですねー。」と感心されていたので、校長としては嬉しかったです。
表現クラブは、ちょうど各グループが考えた寸劇を披露しようとしているタイミングでした。見ている側の子どもたちもニコニコしていたし、演じている子たちもすごく楽しんでいる様子でした。
絵画クラブは、iPadで自分の好きなイラストや写真を検索して、それを参考にそれぞれが絵を描いていました。黙々と描いている子、友だちと見せ合っている子、アドバイスし合っている子、それぞれが楽しそうに活動していました。
次は家庭科クラブです。今回のメニューはみかんゼリーだったようで、まさに食べているところでした。そして、運のいいことに僕も指導主事もおすそ分けをGET。めちゃくちゃおいしかった!食べているところをクラブの子たちが「写真撮るよー。」と言ってくれたので、僕のiPadを手渡し、パチリ。指導主事も幸せそうな顔をしていますね。ごちそうさまでした!
続いてカードゲームクラブ。今回は2グループに分かれて人狼ゲームを楽しんでいました。どちらのグループも子どもたちは笑顔。先生も一緒になって楽しんでいるのが素敵でした。
最後は、iPadクラブです。なんと、Canva(キャンバ)を使って、自己紹介のスライドを作り、発表していたようです。僕たちが教室に入った時には、すでに発表が終わっていたのですが、先生が気を遣ってくれて、1人の子にもう一度発表させてくれました。スライドのデザインもさることながら、内容も素敵で、その子の性格や趣味、将来の夢など、とても詳しく分かる素晴らしいもので、指導主事も感心していました。子どもの力って本当にすごいです!
昨日の朝、運拾いをして回っていると、十字路とトンネルの間の道端にしゃがみこんでいる男の子がいました。
何をしているのかなーと近寄ってみると、道路脇にあるマンションとの境界のフェンスの向こう側に羽化に失敗したであろうセミの幼虫の死骸があって、それを木の枝で触っていたのです。
校「あー、羽化に失敗しちゃったんやな。」
子「うん。それで、道路に落ちてて、アリがいっぱい集まって来てたから、かわそうだなと思って、ここに避難させてん。」
この子は、幼虫の気持ちになって、「アリがいっぱい自分の体に集まってきたら嫌だろうな」と共感力を働かせたんですね。思わず温かい気持ちになりました。
相手が人間だろうと、昆虫だろうと、そこに自分を重ね合わせて思いやることができるのは、とても大切な力です。
この心をいつまでも持ち続けて大人になってほしいと思います。
ゴミ拾いを実践している5年生の女の子ですが、
今朝、僕が運拾いに回っている途中で出会った時、こんな会話を交わしました。
子「校長先生、もし登校途中でゴミを拾ったとしたら、そのゴミってどこに捨てたらいい?」
校「門入ってすぐの警備員さんの小屋の横にゴミ箱があるから、そこに捨てたらいいよ。」
子「オッケー!じゃあ明日からは、家からスーパーの袋を持って登校するようにして、途中でゴミ拾いながら来るわ。」
校「おー!嬉しい!!」
この子は、地域の美化に主体的に貢献仕様としてくれています。
この行動はきっと好循環を生み出し、その輪は広がっていくと信じています。
あー、嬉しい!
また、6年生の男の子からは、
「校長先生、ブログにゴミ拾いのことを運拾いって書いてたでしょ。」
と声をかけられました。こうやって関心を寄せてくれている子がいるから、ブログにも熱が入ります。
子どもたちの可能性は無限大です。そして、常に伸びよう伸びようとしていますし、善くあろうとしています。
それを心から信頼し、これからも大切にしたいことを発信し続けていきたいです。
昨日、3年生の保護者の方とお話しする機会があり、その中で嬉しいエピソードがあったので、ここで紹介させていただきます。
内容としては、運動会に関することでした。
そのお子さんが1・2年生のころは、運動会でダンスが苦手というか、苦に思っていたようで、なかなか振り付けも覚えられなかったそうです。でも、3年生になった今年度は、子どもたちがそれぞれ動きを考え、アイデアを出し合い、話し合って決めるという、子どもの主体性を尊重したプロセスを大切にしてくれたので、子どもの様子にも変化が生まれ、ありがたかったとのことでした。どのような変化があったかというと、ダンスを嫌がる様子が一切なく、家でも意欲的に練習していたし、本番で踊っている時の目を見ても堂々と自信をもって踊っているのが分かったという変化だったようです。
そして、
「校長先生が子どもの主体性を大切にされているのは今までも学校だより等で感じていましたが、運動会に向けた、このような子どもの主体性を大切にする取組をとおして、わが子の様子を見ていると、その大切さを実感し、本当にありがたいなと思いました。」
と言っていただきました。
自分としては、子どもは有能だから、我々教師がゆるぎない軸を持ったうえで信じて委ねることができれば、絶対に子どもはその可能性を存分に発揮すると信じてやってきましたが、具体的に直接保護者の方からこのようなフィードバックをいただけると、とても嬉しかったですし、自信を持つことができました。
これからも子どもの力を信頼し、教職員一同、力を合わせて進んでいきたいと思います。
7月7日(月)七夕
前回投稿した記事に、5年生の女の子が日曜日に公園のごみ拾いをすると宣言していたことを書きました。
そして、週が明けた月曜日。登校してきたその子が、開口一番、
「校長先生!21個拾ったで!」
と報告してくれました。
「そんなにもあったんや!すごいな!ホンマにやってくれて校長先生も嬉しいわ!」
朝からテンションがいつも以上にあがりました。幸せな1週間の始まりです。
今朝は出張の準備があるため、運拾いはできずでしたが、5年生の教室に行くと、この前「校長先生、私も見習ってゴミ1つ拾ったで!」と言っていた女の子が、話しかけてきて、以下のようなやり取りがありました。
子「校長先生、私、日曜に公園に行くねん。」
校「どこか遠くの有名な公園に行くの?」
子「違うよ。袋持って近くの公園に行くねん!」
校「もしかして!ゴミ拾い?」
子「そう!」
校「おお!すごい!うれしい!」
こんな広がりが生まれえるのは嬉しいですねー。
実際に公園のゴミ拾いをすると、街中に落ちているゴミも目に付くようになると思います。そして、この行動が友だちにも広がっていくかもしれませんし、他にも地域のためにできることを考えるようになるかもしれません。
「自分」が行動すれば、変化が生まれます。それを一人でも多くの子どもたちが経験してくれたらいいなと願っています。
いよいよ週明けが7月7日で七夕ですね。
水曜日に設置した短冊を貼れるスペースですが、3日間でこれだけの短冊を書いてくれました!
一つ一つを見てみると、「共感力を働かせる」「互いを大切にする」「学び考え行動する」とはズレているものもありますが...まぁ、それは置いといて、
・みんなが幸せになりますように
・人の気持ちを考える
・できるだけ人を笑顔にする
・個性をもっとかがやかせる!
・もっと人にやさしくする
・自分でできることをもっと増やす
・字をていねいに書く
など、様々な思いが綴られていました。全体的に見ると、ピンクよりブルーの方が多いような感じなので、できていないことを頑張ろうと思っている子が多いようです。
その思いを行動に移して、実現しよう!
7月1日(火)
参観のタイミングに合わせて、学校評議員会を実施しました。
学校評議員とは、学校教育法施行規則49条に定められており、学校運営に関して、校長の求めに応じて意見を述べる人員のことです。委嘱期間は5月1日から次年度の4月30日までとなっており、第1回の評議員会は5月1日に実施しましたが、その時には委嘱状が間に合わなかったため、今回正式にお渡しさせていただきました。
私からは、教職員向けに作成している校長だよりを資料としてお示ししながら、今年度の学校経営の進捗状況についてお伝えし、意見をいただきました。今回は、特に「子どもをどういう存在として捉えるか」という子ども観についてじっくりとお話をでき、「そもそも子どもは善く在りたいと願っているし、自ら学ぶ力を持っている」ということを共有できました。
その後は、授業参観中の教室を回っていただき、子どもたちや先生の頑張る姿を見ていただきました。
いつも本校の教育活動をあたかかく見守ってくだり、支えてくださっている学校評議員のみなさんには感謝しています。
7月1日(火)
この日は1・3・6年生の参観と懇談がありました。
保護者の皆様、本当に暑い中、お越しいただきありがとうございました。
子どもたちと先生、子ども同士が対話の中で学びを深める場面を少しでも見ていただけましたでしょうか。
僕が教室を回っていると、子どもたちが問いに対してどんどん発言している場面を見ることができました。しっかりとこの時間に考えるべき対象の教材としっかり繋がっているなーと感じられて嬉しかったです。
1年生では道徳が行われ、「誠実さ」に関わる読み物資料(きんのおの)をとおして自分自身を1年生なりに見つめていましたし、3年生では総合的な学習の時間にデジタル・シティズンシップ教育が行われていました。このデジタル・シティズンシップ教育もICTをより善く使えるように自分自身と向き合うとともに必要なスキルを身に付けることをねらいとしています。今回のテーマは「iPadを学びに使うとはどういうことか?」。この問いに子どもたちは脳に汗をかきながらどんどん発言していました。6年生は各教室で異なる教科(道徳、国語、社会)の学びに取り組んでいました。どのクラスも子どもたちも教材とつながりながら、よく考えていたと思います。
6月30日(月)
この日は、学力向上委員会主催の校内研修でした。
今年度は教科を算数に絞り、研究主題を「自分で考え、表現し、行動していく子を目指して~探索的対話を通して見方・考え方を働かせ、資質・能力を身に付ける算数科の授業づくり~」として、研究を進めています。
今回は、今年度1回目の研究授業。5年生で「合同な図形」の授業を行い、その後、研究協議会で学びを深めました。
今回の講師は、新潟市立上所小学校の志田倫明先生。昨年度からお世話になっている先生です。
実際、回を重ねるごとに先生たちの話す内容が深くなってきているなと感じていましたが、何よりも学ぶことを楽しんでいる先生たちの姿が僕にとっての喜びです。
講師の志田先生からも研究会終了後にいただいたメールには、
「学校の雰囲気(授業も協議会も)がすごく明るくて、職員が関わり合いも笑い合いも学び合いも前向きで、とっても居心地が良かったです。これが学校をつくるということなのかなあと、肌で感じました。」
というメッセージが書かれており、先生方のことを(僕のことも含めて)この上ない言葉で褒めてくださり、めちゃくちゃ嬉しかったです。誇らしい気持ちになりました。
褒めてもらえるって、いくつになってもうれしいもんですね。益々、子どもたちのために前進していこう!という気持ちになりました。