今日は体育館で全校集会がありました。
そこで子どもたちに伝えたことを簡単に掲載します。
校長先生は、よくいろいろなクラスを見て回っています。
気になっていることがいくつかあるんですが、その1つが鉛筆についてです。
教室の床に誰のものかもわからない鉛筆がよく落ちています。持ち主のもとにちゃんと戻ったらいいなぁといつも心配しています。
校長先生は、最近、小川洋子さんという方が書かれた『そこに工場があるかぎり』という本を読みました。
鉛筆は、芯の回りを木で包んで手が汚れないようになっていますが、その始まりは黒い炭の固まりです。
発明家のコンテさんが、粘土と黒鉛を混ぜて焼いて芯を作るという、今の鉛筆の元となる技術を考えだしました。
少し難しい話ですが、粘土と黒鉛をどれくらい混ぜるかを変えることで、芯の柔らかさや濃さが変わります。「2B」や「B」、「HB」、「H」は、それを表しています。この記号もコンテさんが考えたそうです。
では、日本にはいつ頃鉛筆が入ってきたのかわかりますか?
今、日本に残っている鉛筆で一番古いとされているのが、日光東照宮という神社にある鉛筆です。徳川家康が使ったとされています。
芯を包んでいる木ですが、これは、一度木を茹でているそうです。茹でることで木自体が柔らかくなり、削りやすくなります。そこに「ろう」を染み込ませ、つるつるとした感じを出すそうです。
このように、鉛筆にはたくさんの知恵や作る人の苦労が染み込んでいます。
ところで、1本の鉛筆で線を引くと、どのくらいの長さの線が引けると思いますか?
なんと50kmも引けるそうです。50kmは50000mです。想像できますか?
1本の鉛筆のすごさがわかりますね。
「50kmにも及ぶ果てしない旅をして、鉛筆は姿を消していく。」
なんと謙虚いうか儚いというか、鉛筆のすごさを先生は感じます。
最後に鉛筆工場の方の言葉を紹介します。
「鉛筆は、減った分だけ、何かを生み出しているんですよ。子どもたちが勉強をして。夢を叶えていく。それを担っているのですから、鉛筆はすばらしいなと思います。」
今よりも少し自分の持っている鉛筆を大事にしようかなぁと思ってくれると嬉しいです。