2025年12月アーカイブ

12月5日(金)

今日は、3年生の公民の授業を参観しました。テーマは「政治の仕組み」。
民主政治、独裁政治、そして直接民主制――それぞれの特徴やメリット・デメリットを考え、ペアで意見を交わしながら討議する授業でした。先生の問いかけに応じて、3年生のみなさんは、自分の考えを整理し、相手の意見を尊重しながら話し合う姿が見られました。こうしたやり取りの中で、「一つの正解がない問い」に向き合う力を育てているのだと感じます。

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3年生ともなると、多面的・多角的に考えなければならない課題が増え、意見の調整にはジレンマも伴います。こうした難しさに挑む姿は、まさに3年生ならではの学びです。

欲を言うのであれば、もう少し難解で、考え込んでしまうような討議のテーマでも大丈夫だったのではないでしょうか。3年生ならば、必ず、あきらめずに悩み抜いてくれるはずです!

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1・2年生のみなさんへ。
3年生になると、こうした複雑なテーマに取り組むことになります。ワークシートに書かれている文字数も多く感じるのではないでしょうか。今の学びを大切にして、少しずつ「深く考える力」を育てておきましょう。

今日は午後、3年生は進路写真、アルバス写真の撮影でした。いつのまにか、そんな時期になっていたのかと感慨深いです。                                 校長 大江健規

【コラム】授業が「学びの入口」になる瞬間

その瞬間は、1年生の教室に訪れました。                                              数学の授業です。学習内容は「図形の移動」。採用から2年目の先生による研究授業です。                           今年度、本校では授業づくり研究に関して、現行学習指導要領のど真ん中である「主体的・対話的・深い学び」をテーマに掲げています。                                                         生徒の実態把握、課題設定、学びのプロセス、授業デザインなど、すべてにおいて体現した、見事な授業を参観することができました。

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題材は、模様のように敷き詰められた合同な図形を、どのように、どの場所へ移動させたかを言葉で説明するというものです。課題は三段階で、難易度が徐々に上がる構成になっていました。まずはペアで互いにクイズのように説明し合います。さらに説明台本として文字に起こし、言葉の精度を磨きます。はじめは「上に」「下に」「ずらす」「まわす」「折り返す」など日常語が飛び交っていましたが、やがて「回転」「対称」「平行」「中心」「角度」など数学用語が増えていきます。言葉が変わると、図形の見方が変わります。見方が変わると、考え方が深くなる----その連鎖を目の前で見ました。

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ペアワークの後は、全体への発表です。「この移動は、中心をここにとって...」「形は変えずに...」「裏返して...」----教室の視線が一斉に図に集まります。発表者の説明に、補足を入れてフォローする生徒も現れました。課題を真ん中に置き、生徒どうし、そして先生と生徒の間でも学び合いが進んでいきます。気付けば、教室内はすっかり「幾何学」の空気で満ちていました。つぶやきも、黒板も、ノートも、すべてが数学の言葉で呼吸しているようでした。

印象的だったのは、先生があえて発言を一括してまとめないことです。生徒のみなさんのつぶやきや発表を拾いながら、場の臨場感を保ち、必要な概念は生徒自身の言葉の発達の中にそっと芽吹かせます。                    実は、参観しながら数学科の私には「もっとこうすれば」という案が一瞬よぎりました。しかし、授業終盤になり、担当の先生が1年生の現状を正確に見立てた課題設定をされていたことが分かり、その的確さに、その案は気持ちよく吹き飛びました。                                                机間観察は丁寧で、学びが滞りかけた個人やペアには、必要十分の支援をします。過不足のない介入が、学びの自走力を損なわないのです。

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最後の課題は、ひときわ複雑な敷き詰め図形です。説明は一筋縄ではいきません。それでも、前のめりになる姿は消えません。「この課題も説明したい」「もう少し考えてみたい」----その後すぐにチャイムが鳴りましたが、1年生の学びのチャイムは鳴りやみません。休み時間になると、何人かが先生のところへ歩み寄り、「この説明でどう?」「正解?」とやり取りが続きます。ふと見れば、休み時間だというのに説明の台本を書き始めている生徒も複数います。「もっと挑戦したい」という空気が充満していました。                                                 まさに、余韻のある授業。50分は、あっという間でした。

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課題に没頭する1年生の姿。前のめりになり、腰が少し浮いているかのようなその姿。私はその瞬間を記録したくて、いつもより多く、生徒のみなさんの手元を撮影しました。ワークシートに刻まれた言葉、ペンの動き、図形の世界に没入する指先。それらは、学びの熱量を物語っていました。

今回の授業では、先生自身も学び育っていることを感じました。授業後の協議では、「昨年度、教科を問わず、様々な先生の授業を参観させていただいた。そこから学んだことを今日の授業に生かしています。」と話してくださいました。学校で学び育つのは、生徒だけではありません。

「教え上手より学ばせ上手」----担当の先生の確かな歩みが、教室に温かい空気をもたらしていました。

この授業は、学びの力を信じる先生と、それに応える生徒が切り開いた「学びの入口」でした。                      こんな瞬間に立ち会えたことが、とても幸せです。

                                        校長 大江健規

※12月3日(水) 1年生数学授業参観記

【トピックス】3年生英語授業参観 ~聴く~

12月3日(水)

1時間目は、3年生、英語の授業を参観しました。
テーマは「的確なリスニングにつながる発音のコツ」。
授業の最後に先生が語った言葉が、とても印象的でした。
「ネイティブはどう切り分けているか」――この視点こそ、リスニング力を高める鍵です。

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言語の獲得において「音」が重要であることはよく知られています。
間違えても恥ずかしがらず、まずは真似してみる。
その積み重ねが、リスニング力の向上につながると感じます。 

今日の授業では、「dark-L」「同化」「flap-T」など、興味深い現象が紹介されました。
文字と音の違和感を感じ取り、その謎を探究する――そんな学びにも発展できそうです。

これらの学びは、単に日本語以外の言語におけるコミュニケーション力を高めるというだけではなく、                               言語を通して見えてくる歴史や文化、習慣への理解にもつながっていくはずです。                                   つまり英語は「世界を知る窓」なのだとあらためて感じました。

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午後は、大阪府消費生活センターから講師をお招きし、2年生を対象とした特別講義を実施しました。テーマは、「金融教育~みんなの将来と社会を結ぶ~」です。

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ずばり、お金の話です。「使う」「貯める」だけではありません。これからの時代、お金の運用という視点も欠かせません。たとえば、投資という選択肢。株式会社の仕組みや株の役割を知ることは、社会の動きを理解する第一歩です。

講師の先生は、単なる金融知識にとどまらず、将来のキャリアへのつながりも意識して講義を組み立ててくださいました。お金をどう扱うかは、自分の生き方や働き方とも深く結びついています。今日の学びが、未来の自分をデザインするヒントにしてほしいと思います。 

                                        校長 大江健規

12月1日(月)

いよいよ師走。今日は1年生の英語の授業を参観しました。

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少し遅れて教室前に着いたとき、すでに室内は英語で満ちていました。すばらしいスタートダッシュです。担当の先生は第一声からオールイングリッシュ。日本語はお休み。開始から15分間、見ているこちらが息を止めるほどの、濃密なコミュニケーション・トレーニング。立ったり座ったり、質問したり、クイズをしたり...まるで「英語版・椅子取りゲーム」のようなスピード感です。

ペアも次々に交代します。 「What are you doing?」と聞かれた生徒が、                                   「I'm thinking... how to keep up with this pace!」 と言ったとか言わないとか。

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一気に活動量が上がったところで、一転してヒアリングのワーク。母と息子の少しユーモラスな英会話に、笑いどころをしっかりキャッチしてクスクスと笑い声も。続いて、教科書本文の読解、さらに文法整理へ。分刻みの活動で、音も文字も会話も、まさに英語漬けです。

ここで特筆したいのは、「動」と「静」の切り替えの見事さです。アクティビティで全身を使って英語を浴びたあと、文法事項の整理に入ると、教室全体がすっと落ち着き、集中モードへ。切り替えのスムーズさに、生徒のみなさんと担当の先生の作りあげてきた安心感のある空気を感じました。

先生の授業デザインも、それに応える生徒たちも抜群でした。

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声が出ている、笑顔が出ている、そして...汗も出ている!?

今日の授業を一言で表すなら――
「英語は座学じゃない、全身運動だ!」
そんなことを1年生のみなさんが伝えてくれた時間でした。

この単元、今日までにどれほどのアクティビティがあったのか、想像するだけで楽しくなります。

                                        校長 大江健規

【トピックス】後期生徒総会

11月28日(金)

今日の6時間目は、生徒総会でした。
吹田市内では現在、インフルエンザの流行が警戒レベルに達しています。そのため、例年のように体育館に全校生徒が集まる形ではなく、今回は各教室をオンラインでつなぐリモート開催となりました。こうした柔軟な対応ができるのも、ICT環境が整備されているからこそです。

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総会の前には、エコキャップ運動の結果発表と表彰がありました。小さなキャップ一つひとつが、世界の誰かの命を救うワクチンにつながる。そんな思いを込めて取り組んだ活動の成果が、数字となって示される瞬間は、やはり胸が熱くなります。

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続いて、前期委員会から後期委員会へ取組が引き継がれました。それぞれの委員会の新しいステージが始まります。                                                               後期生徒会活動のキャッチフレーズは、ずばり 「蝶」 です。
「蝶が花粉を受け取って、花を咲かせるように、生徒会がみんなの声を受け取り、それを生かして笑顔咲きほこる学校にしていきたい」――そんな願いが込められています。言葉の選び方に、佐井寺中生の感性と未来へのまなざしを感じますね。

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自治による学校づくりは、まさに生徒のみなさんの手で紡がれる物語です。                                                  後期生徒会の挑戦に、大いに期待しています。                                              佐井寺中が、もっと笑顔であふれる場所になりますように。

                                       校長 大江健規

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