12月22日(月)
今日、1年生社会、地理の授業を参観しました。担当の先生は、いつも素晴らしい授業運びで、私たちを世界の旅へいざなってくれます。中堅の先生らしい安定感。授業運びはテンポよく、どっぷり地理の世界に浸れる迫力ある雰囲気づくり。生徒との距離も近く、教室は活気に満ちていました。 私は今日も旅をしてきました。パスポートも飛行機もなしで。行き先は南米。
メインテーマは「南米における開発と環境」 黒板に映し出された地図を見ながら、私は思いました。 「アマゾンの森を空から眺めると、そこにはジレンマが広がっている」と。


授業は、まるでドキュメンタリー番組のような臨場感。
「発展の裏に課題あり」――先生の言葉が、ニュースの見出しのように響きます。 モノカルチャー経済からの発展、その光と影を生徒たちは追いかけます。
なぜそうなったのか?どうすればいいのか? 問いは次々と投げかけられ、教室の空気が少しずつ熱を帯びていきます。


グループ学習のなかでは、農家、政治家、環境保全に携わる人などなど、..生徒たちはそれぞれの立場に立って議論を展開します。
ただ、欲を言えば――立場を設定することで、議論が「対立の図式」になってしまいがちなので、注意しなければなりません。もっとオープンに「どうしたらいいだろう?」と問いを共有し、ジレンマに協働して挑む形も面白かったかもしれません。
グループワークの本質は、意見を聴き合い、対話を重ねる中で「解決の糸口」を見つけること。 南米の問題を通して、私たち自身の暮らしや社会に目を向けるきっかけになる。 今日の授業は、その入口になったと感じました。
教室を出るとき、ふと思いました。
「教室で見た航空写真。その一枚が、未来を考える扉になるのかもしれない」と。
そして、私たちの日常にも、大小さまざまなジレンマがあります。 環境と経済、便利さと持続可能性、個人と社会...。 今日の授業は、そんな問いを生徒のみなさんに、そっと手渡す時間でした。
校長 大江健規
