2026年3月アーカイブ

3月24日(火)

今年度最後の登校日。
体育館には、どこか張りつめた空気と、ほっとした空気と、その両方が漂っていました。                          修了式、そして生徒集会。今年度の学校生活にそっと句点を打つ一日です。

DSC04927.JPG DSC04924.JPG

修了式では、私から「きっかけ」についてお話をしました。
人は、何かを始めるための "合図" を待っていることがあります。

過冷却の水。条件はすべて整っているのに、ほんの小さな衝撃が加わるまで凍らない。                    しかし、その一瞬で、目に見える変化が起こる。
桜のつぼみ。冬の間、静かに力を蓄え、気温や日照といった条件がそろったその時、                            一気に開花する。「変わる力」は、もともと自分の中にある。きっかけがあれば、それは動き出す。

この修了式という "節目" が、みなさん一人一人にとって、何かを動かすきっかけになってほしい。                       そんな願いを込めました。

DSC04930.JPG DSC04929.JPG

続いて、生徒指導主事の先生のお話でした。                                                 ご自身のご家族に起きた出来事と、そこから向き合うことになった思いをもとに、「命」について、                                        そして「何気ない日常」について語られました。

「あとで伝えようと思っていた」
「次の機会に、きちんと話せばいいと思っていた」
「もっと、こうしておけばよかった」

そんな思いは、後になっていくらでも浮かんできます。
しかし、その "あと" や "次" が、必ず来るとは限らない。

だからこそ先生は、目の前にある何でもない日常の尊さについて話されました。
普段通りの会話、ささいな一言、当たり前のように過ぎていく一日。
それらが、実は二度と同じ形では戻ってこない、かけがえのない時間なのだということ。

体育館にいた私たち一人一人が、自分自身のこととして受け止める時間になったように感じます。

言葉は、形には残りません。
けれど、人の心には残ります。
だからこそ、命を軽んじるような言葉や、誰かを傷つける発言が、                                             取り返しのつかない重さをもつことがある。
そのことを、静かに、しかし深く考えさせられました。

DSC04935.JPG DSC04941.JPG

生徒集会では、部活表彰が行われました。
部活動での活躍は、今回も目白押し。                                                                             結果だけでなく、そこに至る過程、積み重ね、仲間と支え合ってきた時間に、                             自然と拍手が大きくなりました。

DSC04948.JPG DSC04950.JPG

集会の最後、印象的だったのは生徒会執行部の発表です。
「スマホトラブル防止活動」として打ち出された合言葉

「お互いが見えないからこそ大切に」

生徒アンケートをもとに、時間をかけて練り上げた言葉だと聞きました。
顔が見えないからこそ、想像する力が必要になる。
相手を思う力が、いちばん試される場所だからこそ、大切にする。

誰かに言われたからではなく、自分たちで考え、自分たちで言葉にしたこのメッセージに、                                       学校の中で確かな「芽吹き」を感じました。

主体的な動きは、もう始まっています。
あとは、それぞれのタイミングで花を咲かせるだけです。

これで、このブログもひと区切り。
今年度も本校を見守り、支えてくださった保護者の皆さま、地域の皆さまに、                                  心より感謝申し上げます。                                                             学校は、多くの心に支えられている場所なのだと、改めて実感した一年でした。

そして、生徒のみなさんへ。
"条件" は、もう整っています。
あとは、あなた自身の「きっかけ」を、どこでつかむか。
それを楽しみにしています。

このブログをもって今年度の投稿を終えようと思います。                                      今年度も好き勝手書かせていただきました。佐井寺中キャストの活躍がたくさん伝わっていれば                    うれしいです。また、私のすれちがった際には感想を聞かせてください。よろしくお願いいたします。                                  

では、これでいったんペンを置きたいとおもいます。                                                                                                                                         

                                       校長 大江健規

【トピックス】タイムマネジメント研修

3月18日(水)

本日の放課後は自主研修が実施されました。

教務主任の先生による「タイムマネジメント研修」です。                                                         働き方改革という言葉が先行しがちですが、まず大切なのは、日々の業務を見つめ直し、整理し、                       工夫すること。今回は、ベテランの先生方がこれまで積み重ねてこられた工夫やコツを共有しながら、                        業務改善についてじっくりと交流しました。                                                                                  学級経営、授業づくり、家庭との連携など、どれも日常の教育活動に直結するものばかり。
「少しの工夫でこんなに楽になる」「この視点はなかった」と、互いの実践にうなずき合う姿が                                 印象的でした。また、研修の後半では、教務主任の先生から、居心地のいい仕事環境や                              人間関係について提言もありました。
DSC04900.JPG DSC04907.JPG
DSC04914.JPG DSC04916.JPG
時間の使い方は、仕事の効率だけでなく、職場の雰囲気や人との関わり方にもつながっていることを、                     あらためて実感する時間となりました。                                                             終始、和やかで温かい雰囲気の中で、それぞれの先生方の取組が自然にシェアされ、                               「明日からやってみよう」という前向きな空気が広がっていました。                                  こうした一つ一つの対話と工夫の積み重ねが、温かい職場づくりにつながっていくのだと思います。
先生方の学び合いに、心から感謝です。
                                        校長 大江健規

私は生徒会執行部として、3年生の大切な卒業式に出席させていただきました。

3年生のかっこいい姿をこれまで何度も見ていましたが、卒業式での3年生は今までで1番の凛とした表情、立ち振る舞いでした。

特に、3年生の真っ直ぐで、迷いのない声に心を動かされました。
卒業証書を受け取る時の返事はもちろん、オリジナルの「生きる」は言葉の一つ一つに重みがあり、その後の透き通った歌声も前日に見せてもらったものを超える迫力で3年生の気持ちがひしひしと伝わってきました。

見るたびにかっこよくなっていく3年生は、いつでも私達の憧れです。

生徒会として、こんなに素敵な3年生の門出を見送らせていただけたことに深く感謝しています。4月から、私達は2年生に進級します。中学校で初めての後輩もできます。

1年生に私達が先輩方に教えてもらったこと、先輩方から感じたものを伝えていけるような学年を目標に、たくさん努力していきます。

DSC04754.JPG

                                      現執行委員 S記者

生徒会執行部として、3年生の先輩方の大切な門出の瞬間である卒業式に出席させていただきました。

卒業証書を受け取り、席に戻るまでのわずかな動きからも中学校3年間も学校生活で育まれた丁寧な礼儀と美しい立ち振る舞いを見ることができ、感銘を受けました。

特に印象に残った谷川俊太郎さんの「生きる」をオマージュした群読では日々の学校生活の何気無い場面ひとつひとつに焦点をあて、青春のおもろしろさを伝えながらも自分たちの「生きる」とは何かを全員で心を込め、見事に語りあげていました。

今回の貴重な経験を生かし、自分も先輩方のような立派な3年生として卒業を迎えられるよう先輩たちの姿を心に刻み、11日を大切に過ごしていきたいです。

DSC04727.JPG DSC04733.JPG

                                     現執行委員 T 記者

僕は卒業式で3年生の卒業を見届けました。

卒業式では、3年生と先生が協力してプログラム順にスムーズに進めていてすごいと思いました。

しかも、全員で歌を歌う時にハモリが入っていて最後のハモリで鳥肌がたちました。

そして、3年生が退場するときに先生が一番前でその後に生徒がついていく形を見てすごいなと思いました。

DSC04699.JPG DSC04706.JPG

DSC04747.JPG DSC04759.JPG

                                     現副会長 O記者

私は卒業式で、生徒会長として在校生代表の送辞を述べました。 

登壇の際、用意していた原稿を忘れていることに気づき、一時は激しい焦りを感じました。                               しかし、自分の目の前に並ぶ卒業生の皆さんの姿を見た瞬間、形式的な言葉ではなく、今自分自身が抱いている感謝を直接届けたいという思いが込み上げました。 

「今までありがとうございました」「先輩方は本当にかっこいい存在でした」などのような言葉を自分の心の底から自分の言葉で伝えることができ、これまでにないような達成感を味わいました。 

そして、式の終盤で、卒業生全員が心を一つにして歌い上げた合唱には、言葉にできないほどの圧倒的な力強さを感じ、深く感動しました。         

来年度から私たちが最高学年となります。なので、今日から自分たちの憧れの先輩方の姿を目標に、この素晴らしい伝統を私たちが責任を持って引き継いでいきたいです。

DSC04693.JPG DSC04751.JPG

                                        現会長 Y記者

3月17日(火)

先日、次年度前期生徒会選挙が実施され、新執行部が決定しました。
そして本日は、その認証式を校長室で行いました。

一人一人に認証状を手交し、それぞれから決意を聞かせてもらいました。
緊張した面持ちの中にも、「やってみよう」「動かしてみよう」という意志が感じられ、                           頼もしく思いました。

私からは、生徒会がすでに主体的に動き始めていることをしっかり評価し、                                   この流れを止めることなく、さらに活動を発展させてほしいことを伝えました。                                               あわせて、これからは発信に力を入れてほしいという話もしました。                                                             やっていること、考えていることを、言葉にし、形にし、周りに届けていくこと。                                              それが生徒会の存在感を高め、学校を動かす力になるからです。

実はこの場で、ひそかにある特命もお願いしました。
快く引き受けてくれましたが......内容は、まだ秘密です。
近いうちに、分かる日が来ると思います。

新しい役割を引き受けるということは、
目立つことだけでなく、悩むこと、考えることも増えるということです。
それでも一歩前に出ようとする姿勢に、学校の未来を感じています。

新執行部のこれからの活躍を、楽しみにしています。          

DSC04882.JPG DSC04889.JPG

                                      校長 大江健規

【プレイバック】学びの風景 ダイジェスト

今日は少し時間を巻き戻して、この時期に行われた学びの風景を一気にプレイバックします。

2月20日(金)
まずは1年生・国際理解学習。
体育館にお迎えしたのは、デンマーク出身のゲストティーチャー。
事前学習もばっちりの1年生は、話を聞く姿勢も、反応も実に立派でした。
教室を飛び出し、世界とつながる時間。
「知る」ことが、「考える」ことへと自然につながっていく、そんな学習の姿がありました。

DSC04539.JPG DSC04560.JPG

同じ日、2年生は高校出前授業。
高校の先生方をお迎えし、実際の高校授業を体験しました。
進路学習の一環として、自分の "少し先の未来" をリアルに感じる貴重な時間。
中学校とはまた違う空気の中で、真剣に授業に向かう姿が印象的でした。
ご来校いただいた高校の先生方に、心より感謝いたします。

IMG_1087.jpg IMG_1112.jpg

IMG_1126.jpg IMG_1130.jpg

3月4日(水)
2年生・人権に関する学習。
講師は、本校 支援学級担任の先生。
体育館で、絵本を用いながら、自身の経験も交えて語ってくださいました。
静かに、しかし確かに届くメッセージ。
生徒たちは、言葉の奥にある思いを、しっかり受け取っていたように感じます。

IMG_1146.jpg IMG_1149.jpg

3月5日(木)
歯科衛生指導。
校医さんをお迎えし、専門的な立場からのお話を伺いました。
毎日の生活につながる大切な学び。
「知っているつもり」を見直す、よい機会になりました。

DSC04572.JPG DSC04581.JPG

改めて振り返ると、
多くの方々に支えられて、子どもたちの学びが広がっていることを実感します。
ご協力いただいたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。

学びは、教室の中だけにとどまりません。
人と出会い、話を聞き、考え、感じる――
その一つ一つが、確かに子どもたちの中に積み重なっています。    校長 大江健規

【トピックス】新しい風 ~次年度に向けて~

3月16日(月)

今日の5時間目 次年度前期に向けた生徒会執行部選挙が行われました。
立会演説会の会場には、先週金曜日に卒業した先輩たちからバトンを受け取るような、頼もしい風が確かに吹いていました。それぞれの候補者から語られたのは、思いつきではない、しっかりと考え抜かれた公約。
「学校をよりよくしたい」というまっすぐな思いと、具体的で多様な提案に、聴く側の姿勢もとてもよく、会場全体が前向きな空気に包まれていました。
これからの学校生活への期待が自然と膨らむ、そんな時間でした。
DSC04807.JPG DSC04789.JPG 
DSC04800.JPG DSC04796.JPG
土・日曜日は、久しぶりに、部活動 新チームの公式戦を応援に行きました。
野球部は、粘り強く守り抜いて、終盤に見事な逆転勝利。最後まであきらめない姿に、胸が熱くなりました。剣道部は団体戦で好成績。剣道特有の張りつめた静けさ、そして審判の一瞬の判定に、こちらまで背筋が伸びる思いがしました。どちらの会場にも、たくさんの保護者の皆さまが足を運んでくださっていました。十分なご挨拶ができなかった方も多く、この場を借りてお詫びいたします。
また、試合を支えてくださった会場担当の先生方にも、心からの感謝を。
部員の皆さんには、ぜひそのことを忘れず、感謝の気持ちを持ち続けてほしいと思います。
1000004710.jpg 1000004716.jpg
生徒会も部活動も、次年度向けて、新しい風が吹いてきました!        校長 大江健規

3月6日(金)

ひまわり学級のみなさんによる「SHOP HIMAWARI」と「喫茶・向日葵畑」が、本日限りの開店しました。

自立活動の学習の一環として取り組まれた活動ですが、その完成度は"学び"の枠を超え、                                 まるで小さな商店街のようでした。

「SHOP HIMAWARI」には、メモ帳、マグネット、手芸作品、園芸の苗や観葉植物など、つくり手である生徒のみなさんの個性が光る品々が並びます。
予約制の商品、オークション形式、さらには「まず苗を販売し、育てた後に観葉植物が届く」という物語性のある仕組みまで。
つくる・売る・届けるをどう結び付けるか、生徒のみなさんが真剣に考え抜いた工夫の数々が印象的でした。

IMG_1152.jpg IMG_1153.jpg

続いて向かったのは「喫茶・向日葵畑」。
入口で迎えてくれたのは、Canvaで制作された上品なメニュー表。
必要な情報がすっと目に入り、学校とは思えない完成度です。

店内ではリラックスミュージックが流れ、手挽きコーヒーの音が静かに響きます。
その雰囲気はまるで、パリのシャンゼリゼ通りのカフェで過ごしているかのようでした                                 (行ったことはありませんが、気持ちだけは確かに...笑)

IMG_0030.jpg IMG_0018.jpg

DSC04588.JPG DSC04597.JPG

運ばれてきたコーヒーは、豆の香りがふわりと広がる、やわらかな一杯。
丁寧に挽かれた豆がもつ透明感と、後味の余韻が心地よく続き、思わずこう伝えたくなりました。

「抽出が安定していて、とてもクリア。手挽きの良さがしっかり出ているね。」

そして注目はスイーツです。
ビスケーキもマシュマロも、生徒のみなさんの"手づくり"。
甘さ控えめで素材がひき立つやさしい味わいで、手挽きコーヒーとの相性も抜群。
つくり手の思いがそのまま伝わってくるようでした。

IMG_1160.jpg IMG_0054.jpg

IMG_0090.jpg IMG_1162.jpg

IMG_1159.jpg IMG_0066.jpg 

IMG_0104.jpg IMG_0113.jpg

接客もまた素晴らしく、声のトーン、言葉づかい、身のこなしのすべてから、                             「お客さまを迎える」ことへの誇りを感じました。

あまりに感動して、つい私は、いつもの一言を口にしてしまいました。

「すいません、バリスタとパティシエを呼んでください。」

気持ちは"呼びつけ"ではなく、直接お礼を伝えたいという想いに他なりません。

今日は小学校の先生方も来店され、
「すごい完成度ですね」
「本当に落ち着く空間」
と目を丸くされていました。
生徒のみなさんの努力と工夫が、お客さまの心へ確かに届いていた証です。

商品の制作、販売、接客、会計、そして振り返りまで。
ひまわり学級のみなさんは、一つひとつの工程を自分たちの"仕事"として誇りを持って取り組んでいました。
これこそが、社会とつながる"本物の学び"だと感じます。

閉店時間が近づくと、職員室への訪問販売も行っていました。売り切るつもりだねぇ。

今日、教室には小さな街が生まれていました。
その真ん中で、ひまわりの花のようにまっすぐな社会につながる成長が、静かに、                                           しかし確かな力をもって咲いていました。

                                      校長 大江健規

【トピックス】第41回卒業式

3月13日(金)

第41回卒業式は、3年間の道のりの集大成がそのまま形になったような、素晴らしい時間となりました。
ご臨席くださった保護者・地域の皆さまに、心より感謝申し上げます。
当日の様子は、列席者としてその場に立ち会った、特命の「青春ドキュメント記者」に、後日、記事にして届けてもらおうと思っています。お楽しみに。                                                               ここからは、私が卒業生に贈ったメッセージ 式辞の一部を掲載いたします。

DSC04632.JPG DSC04638.JPG

DSC04702.JPG DSC04745.JPG

DSC04749.JPG DSC04770.JPG

思い返せば、みなさんが3年生として歩み始めた今年度の始業式、私はあえて挑発的な言葉を投げかけました。「昨年度までの活躍は素晴らしい。しかし、まだ私の想定の範囲内だ。」落ち着いて物事に向き合うみなさんに、もう一歩踏み出してほしい、殻を破ってほしいという願いを込めた言葉でした。学年の先生たちも「ここからだぞ」と背中を押していましたね。

その後の一年間、私は行事のたびにみなさんの姿に感心しながらも、ある言葉だけは胸の内にそっとしまっていました。修学旅行での行動力、文化総合発表会で見せた一体感、体育祭での真剣な眼差し、部活動での粘り強さ、そして日々の学びに向かう深い集中。どれも誇らしい姿でしたが、「想定を超えた」と確信できるその瞬間を、私は静かに待っていたのです。

 そして今日、ようやく言えます。

みなさんはこの一年で、私の想定を軽々と超えていきました。揺らがない姿勢で、まっすぐに物事へ向き合いながら、確かな力を積み重ねてきたその歩みに、私は心の底から感嘆しています。

卒業にあたり、どうしても紹介したい曲があります。Mr.Childrenの「彩り」です。私が大学生だった頃から第一線で活躍し続ける、日本を代表するバンドです。

みなさんの日常を見ていると、いつもこの曲のサビの歌詞が浮かびました。誰かを押しのけて前に出るのではなく、困っている仲間がいればそっと手を差し伸べ、行事ではしっかりと役割を果たし、一つひとつの積み重ねを大切にしていくその姿は、数学でいう「微分」のようでした。ほんのわずかな変化の連続が、曲線の形を決めていく。みなさんの学校生活は、まさに"静かな変化"の連続でした。

数学には「積分」という考え方があります。小さな変化を集めると、大きな面積になる。仲間を思う気持ち、穏やかなふるまい、誠実な姿勢。一人ひとりの気持ちの広がりが、この学年の温かな空気をつくり、佐井寺中学校で過ごした3年間という"面積"を形づくってきました。

これからの人生は、まっすぐな直線ではありません。ゆるやかに曲がり、時に揺れながら進む曲線です。その曲線の下には、みなさんの経験や思いが少しずつ広がり、やがて大きな"面積"となって形を成していきます。その広がりこそが、みなさんだけの"彩り"であり、みなさんだけの"人生のグラフ"です。

どうか忘れないでください。自分の小さな行動が、まだ出会っていない誰かの笑顔さえも生み出していくことを。その色は派手ではなくとも、深く、確かに誰かの心に届いていきます。

41期生のみなさん。これから歩む道が、学びと出会いに満ち、しなやかに、そして力強く続いていくことを願っています。 

今夜にでも「彩り」ぜひ聴いてみてくださいね。   卒業、おめでとう!! 

                                      校長 大江健規

【トピックス】時間が重なり合う三月の佐井寺中

3月12日(木)

夕刻、静かな体育館で卒業式の会場準備が進んでいます。 校務員さんが立て看板を運んでいます。事務職員さんが祝電を掲示しています。教頭先生が式次第の最終確認をしています。空間にはたしかな緊張と温かさが満ちていきます。整っていく会場を眺めていると、まるで一年間の時間が、この体育館に向かって次々と流れ込んでくるようです。

思い返すのは、今日の3年生の姿。教室では、掲示物が静かに外され、荷物も少しずつまとまり、教室をきれいに掃除する3年生。三年間の歩みが"旅立ちの形"へと変わり始めていました。寂しさではなく、完成した作品が静かに額縁から抜け出すような、そんな凛とした気配でした。                                        一方で廊下には、在校生と先生たちが書いた桜のメッセージが今年も満開です。花びらに込められた言葉が並ぶと、そこには小さな春が息づき、三年生の歩みをそっと包み込んでいます。

IMG_1167.jpg IMG_1168.jpg

その時間の流れが今日、体育館で交錯しました。卒業式予行。当日参列できない1・2年生が、3年生の「卒業のうた」を聴くために体育館へ集まりました。私の目の前で、今年度を共に過ごした"佐井寺中キャスト"が揃っていく光景は感慨深いものがあります。歌声が響いた瞬間、体育館全体が息をひそめ、積み上げてきた時間が音になって空気を震わせました。そして、退場の場面。1・2年生の花道が拍手で満ちていきました。その音は別れの拍手ではなく、未来へ送り出すリズムでした。明日は、この花道を保護者のみなさまがつくってくださいます。今日とはまた違うあたたかさが、この会場に広がるのことでしょう。準備が進む体育館を見ていると、明日のその景色が目の前に浮かぶようです。

IMG_1185.jpg IMG_1201.jpg

IMG_1232.jpg IMG_1234.jpg

IMG_1235.jpg IMG_1238.jpg

未来の気配も、やってきました。3月10日(火)に、東佐井寺小学校の4年生が、博物館への来客を呼びかけるポスターをつくって届けてくれました。「校長先生、校門に貼ってください!」と元気よく差し出されたポスターは、驚くほどスタイリッシュで、内容にも自然と興味が湧く出来映えでしだ。そして何より、届けてくれた子どもたちが本当に明るく、まっすぐで、かわいらしい!2年後、この体育館に座るのは彼らだと思うと期待に胸が膨らみます。3年生が旅立ちの準備を進め、未来の担い手が校門までやってきた今週、まるで校舎全体が物語のページをめくったようでした。校門横の掲示板ですので是非ご覧ください。

IMG_1181.jpg

いまの学びも、生き生きと校内に広がっています。1年生の校外学習レポート、そして理科レポートには、成長の軌跡が詰まっています。2年生の校外学習フォトコンテストには、仲間と見た景色やふとした瞬間の表情が切り取られ、彼らの"いま"が写真に息づいています。こうして積み重ねられた時間が、卒業式前日の学校という場所には静かに満ちています。

IMG_1165.jpg IMG_1166.jpg

IMG_1170.jpg IMG_1171.jpg

体育館の準備が整っていく音を聞きながら、私は思います。                                                                      過去の熟成、現在の躍動、未来の気配。それらがやわらかく重なり合うのが、佐井寺中の三月なのだと。                       明日、3年生がこの花道を歩いていく。凛とした姿で、晴れやかな表情で。                                   その瞬間をしっかりと見届けようと思います。                  校長 大江健規

1月29日(木)

1年生が、今年度の大きな学びの場として神戸・三宮での班別研修に出かけました。

DSCN0702.JPG DSCN0704.JPG

DSCN0980.JPG DSCN0985.JPG

先生方は、校外学習の行き先を考えるにあたり、阪神・淡路大震災という災害をリアルに感じられる場所をあえて選ばれました。地域のみなさまのご協力のもと取り組んだ防災学習とつながる、深い意味をもった選択です。

それだけでなく、公共の場でのルールやマナー、役割分担や責任・協力の姿勢、そして異文化への理解を、机上ではなく "実際の街の中で" 身につけてほしいという願いが込められており、「遠足」ではなく「研修」と名付けているのも、まさにそのためです。

DSCN0998.JPG DSCN1000.JPG

DSCN1043.JPG DSCN1366.JPG

ただ、計画段階で立てた時間や地図だけでは見えてこない学びが、この一日にはたくさんありました。実際に歩いてみると坂道の傾斜や道幅の細さを感じたり、思ったより人が多くて列が乱れそうになったり、海から吹く風が冷たかったり、南京町に漂う食べ物の香りに気を取られたりと、現地に身を置いて初めてわかる  "リアル" が次々と押し寄せます。地図の上ではわずかな距離に見えても、班のペースで歩くと想像以上に時間がかかることもあり、逆に「あれ?もう着いた?」という意外な近さもあります。

こうした気候や景色、におい、音、雰囲気といった五感からの情報は、計画書には書き込むことができないたぐいの学びであり、まさに研修でしか得られない経験でした。

班ごとに組まれた行程には、神戸市役所、南京町、東遊園地、生田神社、北野異人館街、三宮駅周辺などが選ばれ、神戸らしい景色や文化に触れながら、多様性や街の歴史を肌で感じ取る姿が印象的でした。軽食のためのお店選びも、時間に合わせて動くのも、すべて自分たちの判断。「もう少し急ごう!」「ここで写真撮ろうよ」という声が飛び交い、研修の真剣さと同時に、自然と笑顔がこぼれる柔らかな場面もたくさんありました。

DSCN1818.JPG DSCN3870.JPG

DSCN3886.JPG DSCN3913.JPG

DSCN3932.JPG DSCN8341.JPG

スローガン「まなぶ」のとおり、どの班も一日を通して学び続ける姿勢を崩さず、全員が無事に南千里駅に帰着しました。この無事の帰着こそ、一人ひとりが仲間と協力し、責任をもって行動した成果にほかなりません。

今回の班別研修は終わりではなく、これからの学校生活を豊かにしていく学びの始まりです。自分たちで考え、計画し、行動する楽しさや、現地で得た五感の気づきを通して広がった視野、仲間とともに挑戦する価値を胸に、1年生のみなさんがさらに成長してくれることを期待しています。よくがんばりました。

                                         校長 大江健規

2月13日(金)

インフルエンザ流行による学年閉鎖の影響で延期となっていた2年生の校外学習ですが、この日、ようやく実施することができました。前日、帰路につく2年生のみなさんからは、「明日こそは」という気合いが伝わってきて、その表情には楽しみと少しのドキドキがきれいに混ざり合っていたように感じました。

今回の校外学習は大阪市内でのフィールドワークです。あえて「フィールドワーク」という言葉を選んだのは、地図アプリで立てた計画と実際の人の流れ、時刻表通りに進めたい気持ちと混雑の現実、紙の上の"最短ルート"と現地での"いま一番いい判断"など、頭の中の考えを自分の足で確かめる学びにしてほしかったからです。街や交通、公共の場所に実際にふれながら、様子をよく観察して、立てた予想(仮説)が合っているか試し、班の仲間と話し合って判断する――こうした流れを行き来しながら力を伸ばしていくことが大切です。出発前に計画を練り、現地では見取りを働かせ、必要に応じて作戦を練り直し、最後は「次はもっとこうできる」という振り返りにつなげる。この一連の流れそのものが探究的な学びであり、今回の校外学習の意味でもあります。

IMG_0045.jpg IMG_0046.jpg

教室で身につけた"正解"が、駅のホームやバス停の列で出題をし直してくる。そのとき、どんな行動ができたのか――2年生のみなさんが現場で力を発揮しようとした姿が想像されます。計画を立て、マナーを守って行動し、予定外のことには落ち着いて向き合い、最後に自分たちの行動を振り返る。こうした経験によって、学校での学びを社会の場面でも使えるようになり、情報を集める力・話し合う力・決める力を伸ばすことができます。公共の場でのふるまいは思いやりを形にすること、予想外への対応は頭の切り替えの練習、先生がそばにいない時間は自分で考えて動けるかを確かめる時間――この「考える→やってみる→見直す」を重ねることこそが、フィールドワークの大事なポイントです。

各クラスの班が、自分たちの興味に基づいてオリジナルのコースを作るところから勝負が始まりました。「このルート、本当に行けるのかな...?」と目を輝かせる班もあれば、「なんとかなるっしょ」と妙な自信をのぞかせる班もあったと聞き、すでに社会に踏み出す一歩が始まっていたんだなあと感じます。

チェックポイントの天王寺動物園をめざして電車に揺られ、乗り換えで慌ただしく動き、あるいは「こっちや!」と言いながら迷う場面もきっとあったでしょう。そうした姿を想像すると、まだ幼い部分と頼もしさが同居している2年生らしさが目に浮かび、思わず微笑んでしまいます。

学校という守られた空間とは違い、社会はときに予告なしに"イレギュラー"を差し込んできます。だからこそ今回の校外学習では、予想外の出来事にどう向き合うか、公共の場でどう行動するか、そして「先生がいない=何をしてもいい」では決してないということ。この三つを特に大切にしようという意図が、しおりの中にも込められていました。良かった点とあわせて課題も自覚し、修学旅行へ向けてどう改善していくか――このプロセスこそが今回の学びの核心です。

解散のとき、ホッとした表情と達成感の混ざった2年生の姿が目に浮かびます。今日の経験を通して、きっとまた一歩大人に近づいたのだと思うと、胸がじんと温かくなります。2年生のみなさん、そして先生方、本当にお疲れ様でした。今回の経験が、これからの学校生活、そして社会で生きる力につながっていくことを願っています。

IMG_0166.jpg IMG_0175.jpg

なお、今年はフォトコンテストもあるとのことですので、ブログでの画像紹介は最小限にしておきますね。

                                        校長 大江健規

このアーカイブについて

このページには、2026年3月に書かれた記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2026年2月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

カテゴリ

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 8.8.2