3月12日(木)
夕刻、静かな体育館で卒業式の会場準備が進んでいます。 校務員さんが立て看板を運んでいます。事務職員さんが祝電を掲示しています。教頭先生が式次第の最終確認をしています。空間にはたしかな緊張と温かさが満ちていきます。整っていく会場を眺めていると、まるで一年間の時間が、この体育館に向かって次々と流れ込んでくるようです。思い返すのは、今日の3年生の姿。教室では、掲示物が静かに外され、荷物も少しずつまとまり、教室をきれいに掃除する3年生。三年間の歩みが"旅立ちの形"へと変わり始めていました。寂しさではなく、完成した作品が静かに額縁から抜け出すような、そんな凛とした気配でした。 一方で廊下には、在校生と先生たちが書いた桜のメッセージが今年も満開です。花びらに込められた言葉が並ぶと、そこには小さな春が息づき、三年生の歩みをそっと包み込んでいます。

その時間の流れが今日、体育館で交錯しました。卒業式予行。当日参列できない1・2年生が、3年生の「卒業のうた」を聴くために体育館へ集まりました。私の目の前で、今年度を共に過ごした"佐井寺中キャスト"が揃っていく光景は感慨深いものがあります。歌声が響いた瞬間、体育館全体が息をひそめ、積み上げてきた時間が音になって空気を震わせました。そして、退場の場面。1・2年生の花道が拍手で満ちていきました。その音は別れの拍手ではなく、未来へ送り出すリズムでした。明日は、この花道を保護者のみなさまがつくってくださいます。今日とはまた違うあたたかさが、この会場に広がるのことでしょう。準備が進む体育館を見ていると、明日のその景色が目の前に浮かぶようです。



未来の気配も、やってきました。3月10日(火)に、東佐井寺小学校の4年生が、博物館への来客を呼びかけるポスターをつくって届けてくれました。「校長先生、校門に貼ってください!」と元気よく差し出されたポスターは、驚くほどスタイリッシュで、内容にも自然と興味が湧く出来映えでしだ。そして何より、届けてくれた子どもたちが本当に明るく、まっすぐで、かわいらしい!2年後、この体育館に座るのは彼らだと思うと期待に胸が膨らみます。3年生が旅立ちの準備を進め、未来の担い手が校門までやってきた今週、まるで校舎全体が物語のページをめくったようでした。校門横の掲示板ですので是非ご覧ください。

いまの学びも、生き生きと校内に広がっています。1年生の校外学習レポート、そして理科レポートには、成長の軌跡が詰まっています。2年生の校外学習フォトコンテストには、仲間と見た景色やふとした瞬間の表情が切り取られ、彼らの"いま"が写真に息づいています。こうして積み重ねられた時間が、卒業式前日の学校という場所には静かに満ちています。


体育館の準備が整っていく音を聞きながら、私は思います。 過去の熟成、現在の躍動、未来の気配。それらがやわらかく重なり合うのが、佐井寺中の三月なのだと。 明日、3年生がこの花道を歩いていく。凛とした姿で、晴れやかな表情で。 その瞬間をしっかりと見届けようと思います。 校長 大江健規
