今、4年生の国語は、『ごんぎつね』の学習を行っています。
きっと保護者の皆さんも、学校の授業で習った記憶があるのではないでしょうか。
いたずら大好きのごんぎつねが、
兵十が捕まえたウナギを取ってしまうことから物語は始まります。
そのうなぎは、兵十が病気のおっかあに食べさせようとしたものであったことを、
自分と同じように一人ぼっちになった兵十を見て、ごんは悟ります。
その償いをしようと一生懸命兵十に尽くすごん。でも、兵十は気づかない。
そして運命の第6場面。くりを持って来たごんを、「またいたずらしに来たな!」と、
銃でうってしまう兵十。その直後にやっと分かり合えた兵十とごん。
豊かな情景描写があふれる、新美南吉の不朽の名作です。
4年生の豊二っ子たちは、このお話が大好きで、
ごんの気持ちに共感しながら授業を進めてきました。
ごんと兵十の「気持ちの距離」を考える授業や、
「ごんは幸せだったのか?」というテーマでの話し合いなどを行う中で、
友達の意見も聞きながら深く考えることができたようです。
以下に、子どもたちの授業後の感想(一部抜粋)を掲載します。
文学と学級の仲間が子どもの心を育てる...ということを改めて感じさせられました。
★最後に目をつぶったごんは、「気付いてくれてよかった」とも思っていたと思うけど、一番思っていたことは、「ごめんなさい、あんなことをしてごめんなさい」と思っているんじゃないかなと思いました。
★最後の場面では、ごんはうたれて死んだけど、ごんより兵十の方が苦しいと思った。兵十が火縄銃でうってしまったのはしょうがなかったと思うけど、一人ぼっちになった自分のことを今まで支えてくれていたごんをうってしまったからです。
★最初はごんは悪いと思っていたけど、話をずっと読んでいたら、ごんがかわいそうになった。もし、最後にごんに話す力が残っていたら、「うなぎをぬすんでごめんなさい」と言っていたと思う。
★最初ごんぎつねを読んだときは、ごんは悪いきつねだと思っていたけど、みんなと話を進めていく内に、「この時は本当はこうだったんだ」と、いろいろ自分が思っていたこととは違うところがたくさんあったりしたから、この(物語の中の)しかけを考えた新見南吉さんはすごいなと思った。
★話が始まる前に、ひがん花といねがうつっていたのは、たぶん、ひがん花は悲しい気持ちを表していて、いねは育てるのに時間がかかって実る=がんばってごんがくりを持って行き、最後は分かってもらえたというごんの結末を表しているんだと思う。
★いろんなことがあっても、最後には2人の心のきょりが近くなったので、たとえけんかしても、いろいろなことがあっても、動物と人間同士でも、仲良くなれるということを、新見南吉さんのお話が気付かせてくれました。
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