8月4日(火)
グランキューブ大阪で開催された中学校ダンス選手権西日本予選大会を応援してきました。 全国の中学校ダンス部が目標とする大舞台の一つです。
会場には独特の緊張感が漂っています。照明が落ちる。音楽が流れ始める。 そしてステージいっぱいに広がる表現の世界。
学校ごとに作品の色はまったく異なります。あらためて感じたのは、ダンスにも吹奏楽にも、それぞれの流儀があり、それぞれの学校らしさがあるということです。
佐井寺中学校ダンス部の作品も、確かな「らしさ」を感じるものでした。幕が開いた瞬間から、どこか神秘的で、透明感のある世界が広がります。まるで舞台に光が生まれたかのようでした。
印象的だったのはフォーメーションです。整然としたシンメトリーの美しさ。そして、その均衡を崩しながら生まれるアシンメトリーの躍動感。相反するように見える二つの要素が自然に融合し、一つの作品として成立していました。
さらに見事だったのは、その展開の滑らかさです。一塊の動きから次の場面へ移る瞬間が実に自然です。 隊形が変わる。人が動く。しかし、その変化が「移動」ではなく「流れ」として見える。 まるで舞台上を風が吹き抜けていくようでした。
気が付けば景色が変わっている。気が付けば次の場面が始まっている。その連続に惹き込まれました。
もちろん技術面も見事でした。動きの始まりが揃う。終わりが揃う。視線が揃う。身体の角度が揃う。 しかし、それ以上に心を動かされたのは豊かな表情です。時に凛として。時にやわらかく。一人一人が作品世界を丁寧に表現していました。遠くからでもしっかり認識できました。
一体感と優雅さ。その両方を感じる演技。そして終盤。作品はさらに熱を帯びていきます。最後のフォーメーション。最後の動き。最後のポーズ。音楽が止まりました。そして会場も静まりました。ほんのわずかな時間です。しかし、その静寂には言葉以上のものがありました。観客一人ひとりが、佐井寺中の作品を受け止めている。そんな空気が会場に満ちていました。 そして次の瞬間、大きな拍手が湧き起こりました。
私の中には、今日もまだ、余韻が残っています。 吹奏楽部は、音で景色を見せてくれました。ダンス部は、身体で風を見せてくれました。 どちらも、人の心を動かす表現の力を感じさせてくれる舞台でした。 吹奏楽もダンスも、表現の方法は異なります。音で空間を描く者。身体で物語を描く者。 競いながらも、多様な表現が認められる。私は、この文化そのものが素晴らしいと思いました。
そして何より、あの瞬間です。会場が静まり、まだ誰も拍手をしていない、ほんのわずかな時間。 私は、作品の価値が最も正直に表れるのは、その時間ではないかと思っています。
佐井寺中生、素敵です。Bravi!
なお、会場は撮影が禁止されていましたので、演奏・演奏本番の画像はありません。 つたない文章ですが、佐井寺中生の熱い挑戦を想像していただければ幸いです。
校長 大江健規
