9月25日(金)
取り急ぎ、私の講評で「速報」とさせていただき、【青春ドキュメント記者】の力も借りながら、 後日、しっかりレポートさせていただきます。
<文化総合発表会 講評>
本日は、文化総合発表会にご来場いただきました保護者の皆様、そして地域・ご来賓の皆様、本当にありがとうございました。
私は今日、一日を通して、この体育館に満ちている「佐井寺中の個性(色)」について、ずっとかみしめていました。「文化」という硬い言葉を辞書で引けば、もっともらしい説明が並んでいます。 しかし、今日私が肌で感じたのは、そんな堅苦しい定義ではありません。それは「互いに関わり合いながら、常に新しいものを生み出そうとする姿勢」。 年々、内容や迫力がアップデートされていて、「この先、どこまで進化していくのだろう」という、心地よい圧倒と期待に包まれました。
2学期、私が佐井寺中キャストのみなさんに提案し続けてきたキーワードがあります。「共創」。たった二文字のこの言葉が、今日の体育館のあちらこちらで、鮮やかな形になっているのを目の当たりにしました。


ダンス部は、場を引き込む力が圧倒的でした。空気をつくるまであっという間の出来事でした。一人ひとりが主役でありながら、流れるようにつながる全体の輪を支える「たしかな一員」でもありました。個人の卓越した能力だけでなく、互いの息づかいを引き出し合いながら一つの表現へと高めていく。そのチームワークは、まさに「共創」そのものの美しさでした。
書道部のパフォーマンスも見事でした。真っ白なキャンバスに、一筆、また一筆と命が吹き込まれていく。巨大な書が掲げられた瞬間、体育館は、ドラマチックな歴史館に姿を変えました。文字が「季節のうつろい」として胸に飛び込んでくる、伝統と芸術の力を味わいました。
吹奏楽部の演奏、鼓動を揺さぶる圧巻のメドレーでした。耳なじみのある華やかなメロディーの裏側で、一人ひとりが自分の音を響かせながら、同時に周囲の音を深く「聴いている」。自分を主張しつつ仲間を生かす。その絶妙なバランスの妙、背筋がゾクッとなる美しく、迫力のある音楽を、指揮をさせてもらいながら正面から感じました。 (個人的には、ディープ・パープルメドレーは、熱かった!かっこよかった!)
そして、美術部の作品展示です。一つひとつの作品の輝きはもちろん、少し絵の具のにおいがする空間そのものが、そこに佇むだけで、美しい別世界へトリップさせてくれる。そこにゲーム要素のユーモアも重なり、何とも粋な空間でした。
出演した各部活の発表は、行事そのもののクオリティーを高めてくれたと感じています。観る者の心を捉えては放さない空気をつくりだしてくれました。
教科の展示も、日々の学びが手に取るように分かるものばかりでした。


一年生の合唱からは、「聴き合う力」の尊さを教えられました。合唱とは、自分の声を響かせる活動であると同時に、仲間の声を全身でキャッチする活動でもあります。相手の声の温もりを受け止め、自分の声を優しく重ねていく。 特に、最後の全体合唱は、これまでの「聴く合唱」から「参加する合唱」へ進化していました。全員の個性が一つの巨大な「生きた声」となって体育館を包み込みました。その響きで、胸が熱くなりました。
二年生の「ワクスタ」は、まさに未来を生きる私たちに必要な「学びの冒険」です。企業や社会から本物の課題を受け取り、仲間と「自分たちなりの答え」を探っていく。そこには正解のない問いが広がっています。どの発表からも、社会を、自分のフィルターを通して見つめている熱量が伝わってきました。 探究に終わりはありません。今日の発表は、「予告編」です。本編が公開される十二月、皆さんのアイデアが形になって、商品や企画になり、誰かの日常をあっと言わせる未来を、今から心底楽しみにしています。
そして、三年生のクラス劇です。優れた劇とは、幕が下りた瞬間に終わるものではありません。むしろ、そこからが本当の始まりです。観客の胸の中で「あれはどういう意味だったんだろう」と問いが湧きあがり、考え続ける時間が生まれる。その余韻こそが、演劇の持つ最大の魔法です。選出された2つの劇には、テーマと共に、その余韻が含まれていたように思います。
昨日鑑賞した全クラスの熱演には、それぞれの「クラスにしか出せない色」が充満していました。勇気ある一歩、スカッと青春活劇、個性の大切さ、緊迫感、愛おしい人間模様、見事な背景美術と抜群の配役。大道具、小道具、衣装の隅々にまで宿った世界観。試行錯誤しながら創り上げてきた「過程」そのものが、光を放っていました。スポットライトを浴びた人だけでなく、裏側で支えたすべてのドラマに、心からの拍手を送ります。

そして、この行事を支えてくれた文化委員の皆さん。皆さんの綿密な準備と機転の利いた気配りのおかげで、温かい発表会になりました。実に、見事でした。
子どもたちの学びを情熱的に支えてくださった先生方。伴走してきたその姿に、子どもたちを思う素晴らしいサービス精神に、校長として心から敬意を表します。
さて、今日の文化総合発表会を振り返ると、どの発表からも同じメッセージが聞こえてきました。それは、「一緒につくりあげてきた」という、心地よい空気感です。これこそが、佐井寺中学校の強さであり、迫力です。
まもなく文化総合発表会の幕が下ります。「幕が下りる」ということは、次の物語への期待が膨らむ瞬間でもあります。佐井寺中学校の「共創」は、ここで終わりません。
次の舞台は、体育大会です。今日、皆さんの底知れぬポテンシャルを目の当たりにし、きっと私たちの想像の上を行く、驚きと感動の「共創」をまた見せてくれると確信しています。
講評の時間、予定が押しているのに、思いが余って、思わずたくさん話をしてしましました。 文化委員のみなさんすいません。
とても素敵な文化総合発表会でした。お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
校長 大江健規