【トピックス】夏休みの宿題 ~自分磨きの成果~

9月1日(火)

夏休みの名物といえば宿題。問題集、読書感想文、工作などを思い浮かべる方も多いかもしれません。                                           しかし、今年の3年生の英語科の宿題は、少し違いました。                                                                                                                                                                              テーマは「How can we save animals ?」                                                          絶滅危惧種の動物を一つ選び、その現状や課題、そして未来へ命をつなぐための方策について英語でスピーチする動画を作成するという課題です。学習用端末を使ってカメラの前に立ち、自らの言葉で語ります。                                                 3年生のみなさんが、どんな自分磨きの成果を見せてくれるのか、楽しみにしながら授業を参観しました。

IMG_1664.jpg IMG_1648.jpg

授業では、まず互いの動画を視聴しました。ペアで選び、班で選び、そして代表10名を選出。 最後は全員で投票し、クラス代表の3作品を選びます。                                                                   

最初は少し照れくさそうな空気もありました。ところが、時間がたつにつれて教室の空気が変わっていきました。「面白い」や「笑える」だけではなく、「すごいな」「工夫されているな」「わかりやすいな」「興味がわくな」などなど、そんな視点で見ていることが伝わってきました。 

IMG_1649.jpg IMG_1652.jpg                                                                   

私が3年生のみなさんの年齢だった頃、いわゆる思春期という時期を思い出すと、「真面目に取り組むことを格好悪い」と、少しつっぱってしまうこともあった、そんな記憶があります。                                   しかし、この日、この教室には、そんな雰囲気はありませんでした。                                                                真剣な作品には真剣な評価を。優れた作品には素直な敬意を。自分よりうまいところは参考にする。                            時間が経つにつれて、心地よい空気が自然に流れはじめたことに、大きな成長を感じました。

IMG_1653.jpg IMG_1655.jpg

どの動画も実に個性的でした。字幕を工夫している、タイミングよく画像を挿入している、視線やジェスチャーを巧みに使う、学習した文法や構文を丁寧に活用している、難しい単語を並べるのではなく「伝わること」を優先して表現を選んでいる。そして何より、画面の向こうにいる相手へ語りかけようとする姿勢。                                     英語科はテストのためだけの教科ではありません。人と人をつなぐためのコミュニケーションの教科です。選ばれた作品には、それぞれに選ばれる理由がありました。3年間積み重ねてきた英語の学び、表現する姿勢が、しっかりと形になって表れていました。さすが3年生です。

IMG_1658.jpg IMG_1660.jpg

授業終盤、代表10名の作品を全体で視聴した際には、教室はさらに静かになりました。誰ひとり騒ぐことなく画面を見つめています。不思議なものです。人を惹きつける作品には、やはり選ばれる理由があります。英語力だけでは説明できない魅力。「どう伝えるか」という思いの強さが伝わってきました。

この日は、市役所で動物愛護に関わる担当部署の方をゲストティーチャーとしてお招きしました。                                        厳しい暑さの中、本校まで足を運んでくださったことに感謝申し上げます。担当されている部署では、動物愛護の推進だけでなく、動物の引き取りなど、私たちが普段あまり目を向けない現実とも向き合っておられます。生徒のみなさんは静かに耳を傾けていました。ホンモノの現場で働く方が語る言葉は、重みが違います。そして講評では、生徒たちの発表内容と授業に向かう姿勢への大きな賛辞をいただきました。さらには英語を使って褒めてくださる場面も。生徒のみなさんにとって忘れられない励ましになったのではないでしょうか。                                                                             「これからも考え続けてほしい」。そんな願いのこもったメッセージもいただきました。

IMG_1663.jpg IMG_1667.jpg

IMG_1669.jpg IMG_1671.jpg

さらにうれしいお知らせがあります。市役所ロビーで開催される動物愛護週間の展示において、本校代表生徒のプレゼン動画を上映していただけることになりました。                                                                                            学びを教室の中だけで終わらせない。社会へつなげる。発表の場を与えていただいた吹田市役所の皆様に、心より感謝申し上げます。

そして最後に、この課題を設定し、生徒たちの学びをここまで高めた英語科の先生方にも拍手を送りたいと思います。英語を学ぶことと社会問題について考えること。ICTを活用することと自分の考えを発信すること。それらを一つの学習活動として結び付けた見事な授業でした。

自分の考えを磨き、表現を磨き、他者を認める力を磨く。                                          やはり英語科の夏休みの宿題は、単なる宿題ではありませんでした。                                                                                 英語力を磨く宿題。表現力を磨く宿題。思考力を磨く宿題。そして何より、自分自身を磨く宿題

その成果を、私は確かに見ることができました。

                                       校長 大江健規

8月31日(月)

2年生の新たなプロジェクトが、今日から始まりました。その名も「ワクスタ」です。

今日の舞台は教室。5・6時間目に、ご協力いただく企業の皆様をお招きし、職業講話を実施しました。

IMG_1639.jpg IMG_1630.jpg

しかし、この日の目的は、仕事の話を聞くことだけではありませんでした。

企業の皆様から、2年生に問いが届けられたのです。

教科書には載っていない。 もちろん答えも載っていない。

今回、生徒たちが向き合うのは、企業が実際に抱える真正の課題です。

これからグループごとに考え、議論し、迷い、試行錯誤しながら                                             提案をつくり上げていくことになるでしょう。                                              ひらめきは大切ですが、そのひらめきが実現可能なのかは、また別の問題です。                                                    12月には、企業の方々を前にプレゼンテーションが企画されています。

その提案の中には、実際の取組として採用されるものも生まれるかもしれません。                                     私はそんな可能性を十分に秘めていると感じています。

普段の学習にも、様々な問いがあります。                                                        しかし、今回向き合う問いには、模範解答はありません。

IMG_1632.jpg IMG_1638.jpg

「そのアイデアは本当に課題解決につながるのか」 「別の見方はないのか」 「よりよい方法はないのか」

一つの答えにたどり着けば終わり、ではありません。

多面的・多角的に考え、仲間と意見を交わしながら修正を重ねていくことが求められます。

難しい。 だからこそ面白い。

課題の本質を見抜く力。 仲間と協働する力。 そして、新しい価値を生み出す力。

2年生はこれから、その力を総動員して、真正の課題に挑みます。

IMG_1642.jpg IMG_1645.jpg

文化総合発表会では、このプロジェクトの中間発表が予定されています。

企業の皆様から託された問いに対して、2年生はどんな視点で向き合うのか。                                        どんな発想で挑むのか。                                                                         そして、どんな未来を提案するのか。

教室で生まれたアイデアが、教室の中だけで終わらず、社会につながっていく。

今日は、その入口に立った一日でもありました。

ご協力いただく企業の皆様に、心より感謝申し上げます。

さて、2年生のみなさん。

これから始まるのは、「正解探し」ではありません。

「価値づくり」です。

文化総合発表会、今からとても楽しみにしています。

                                       校長 大江健規

【トピックス】笑顔が躍る舞台

8月30日(日)

メイシアターで開催された吹田市内中学校ダンス部の発表会を鑑賞してきました。

ダンス部については、夏休みに実施されたコンクールにも足を運びましたが、この日の舞台はまた違った表情を見せてくれました。コンクールには独特の緊張感があります。一つ一つの動きに集中し、磨き上げた作品を披露する真剣勝負の場です。

一方、この日のステージには、もっと伸びやかで自由な空気が流れていました。学年ごとの演目は、選曲もジャンルも実にさまざま。軽快なリズムに心が弾む作品もあれば、しっとりとした世界観に引き込まれる作品もありました。

RYO_5856.JPG RYO_5862.JPG

そして何より印象的だったのは、部員のみなさんの笑顔です。

与えられた時間いっぱいを使い、音楽を楽しむように踊る姿。仲間と顔を見合わせながら弾ける笑顔。客席まで届くその表情からは、「踊ることが好き」という思いが伝わってきました。

ダンスという表現は、なんとも不思議です。言葉を使わなくても、楽しさや喜び、高揚感が伝わってくる。この日のステージには、そんなダンスの魅力があふれていました。一人一人が輝き、それぞれの個性が豊かに花開いていたように感じます。

RYO_5916.JPG RYO_5940.JPG

会場にはたくさんの保護者のみなさまが来場されていました。演技が終わるたびに送られる大きな拍手。そして思わず漏れる感嘆の声。それは技術への評価だけではなく、舞台の上で思い切り表現する部員のみなさんへの温かなエールだったのでしょう。

ステージにはたくさんの笑顔がありました。客席にもたくさんの笑顔がありました。そして最後の演目が終わり、幕が下りた後も、しばらく会場には拍手が残っていました。

その拍手こそが、この発表会の素晴らしさを物語っていたように思います。

RYO_5970.JPG RYO_5982.JPG

また、この日の舞台は、多くの方々の支えによって成り立っていました。部員たちの成長を支え続けてくださった顧問の先生方。発表会の開催にご尽力いただいた吹田市教育委員会のみなさま。そして、照明や音響、進行など舞台の裏側を支えてくださったメイシアターのスタッフのみなさま。本当にありがとうございました。

舞台の上にはスポットライトが当たります。しかし、その光は見えないところで支えてくださる方々がいてこそ輝くものです。部員のみなさんには、この素晴らしい舞台に立てたことへの感謝を胸に、これからも仲間とともに表現する喜びを大切にしてほしいと思います。

                                         校長 大江健規

【トピックス】短縮期間は今日まで

8月28日(金)

深夜にとても強い雨が降り、雷も激しく鳴りました。目が覚めてしまった人も多かったのではないでしょうか。私も少し怖いなあと感じながら、何度も目が覚めました。夕刻、部活動が終わるくらいの時間にも、また強い雨が降り、雷が鳴りました。顧問の先生方が雨雲レーダーを見ながら、「もう少しで雨雲が通り過ぎるから待機しよう」と声をかけてくださり、部員のみなさんは下足室などで雨宿りをしていました。雨があがると、顧問の先生方は校門まで一緒に歩き、生徒のみなさんを見送ってくれていました。ありがとうございます。下足室は蒸し暑かったかもしれませんが、先生方の指示に従って落ち着いて待機していた生徒のみなさんの姿にも感心しました。

さて、学校では今週、始業式や実力テストがありました。短縮時間割でのスタートとなり、お弁当もありませんでしたので、いつもより少し早く一日が終わる一週間だったように思います。来週からは通常授業が始まります。

IMG_1623-3.jpg IMG_1624-3.jpg

IMG_1625-3.jpg IMG_1626-3.jpg

また、これからはいよいよ文化総合発表会へ向けた取組期間となります。教室や廊下でも、少しずつ準備の様子が見られるようになることでしょう。どんな発表が生まれるのか、今から楽しみです。

校長室前では、夏季休業中お休みしていたモニターでのスライドショーを再開しました。修学旅行の様子などを紹介していますので、通りかかったときには、ぜひ見てください。懐かしい場面や思わず笑顔になる写真に出会えるかもしれません。

また、その横では私のお気に入りの本も紹介しています。「読んでみたいな」と思う本があれば、気軽に声をかけてください。希望者には貸し出します。

1学期の終盤、校長室前のモニターを置いている机の上に忘れ物がありました。かわいい飾りのような、キーホルダーのような忘れ物です。心当たりのある人は取りに来てくださいね。

IMG_1627-1.jpg IMG_1629-1.jpg

来週からは、いよいよ文化総合発表会へ向けた取組も本格的に始まります。まだまだ暑い日が続く予報ですが、一日一日を大切にしながら過ごしていきましょう。みなさんの活躍を楽しみにしています。

                                       校長 大江健規

【トピックス】2学期 始業式

8月25日(火)

長かった夏季休業も終わり、2学期がスタートしました。

DSC05955.JPG DSC05953.JPG

始業式では、まず夏季休業中の過ごし方を振り返りました。この夏は、各地で地震や豪雨などの自然災害が発生しました。災害はいつ起こるかわかりません。大切なのは、現実をしっかり見つめ、自分の命を守るために何をしておくべきかを考え、備えておくことです。そのことを佐井寺中全体で改めて確認しました。

1学期終業式では、私から夏季休業中のキーワードとして「心身のメンテナンス」と「自分磨き」を提案しました。心と体を整えること。そして、自分自身を成長させること。この期間中、佐井寺中生一人一人が、それぞれの形で充実した時間を過ごしてくれていたらうれしく思います。

スライド3.JPG スライド4.JPG

この夏、ダンス部のコンクールを応援する機会に恵まれました。初めて観たコンクール形式の大会でしたが、そこで実感したのは、学校ごとの個性や文化の面白さです。同じ舞台に立ち、同じ時間の中で表現していても、作品はまったく異なります。少人数ならではの緻密な構成で魅せる学校。大人数の迫力で圧倒する学校。力強いジャンルを追求する学校。しなやかな表現を大切にする学校。それぞれの学校が、自分たちらしい作品を創り上げていました。                                                      だからこそ、大きな大会への出場権を手にした学校を称えるとともに、それぞれの学校が自分たちらしい表現を追求している大会そのものの価値を強く感じました。

2学期には体育大会や文化総合発表会など、多くの行事があります。そうした行事では、「きょうそう」という言葉がよく使われます。私は今年、その「きょうそう」を「〇〇」という言葉で捉えてみてはどうかと提案しました。仲間と力を合わせること。互いの良さを生かすこと。一人では生み出せない価値や景色を創り出すこと。そこには、結果だけでは表せない価値があります。佐井寺中らしい「〇〇」とは、そんな姿なのではないかと思うのです。

スライド5.JPG DSC05960.JPG

続いて、首席の先生からも2学期の学校生活について話がありました。夏季休業中の生活を振り返りながら、小さなトラブルや悩みがあれば、一人で抱え込まず先生に相談してほしいこと。そして、夏季休業中の部活動の活躍にも触れながら、「大会では結果や順位が示される。しかし、本当に大切なのは、仲間とともに目標に向かって努力した日々や、支え合いながら活動してきた時間である」という話がありました。私はその話を聞きながら、自分が提案した「〇〇」という言葉と深く重なるものを感じ、とてもうれしく思いました。行事も部活動も、仲間と力を合わせ、自分たちらしい価値を創り出していく営みです。だからこそ、文化総合発表会も体育大会も、本番だけでなく、そこへ向かう過程そのものを大切にしてほしいと改めて思いました。

DSC05965.JPG DSC05966.JPG

始業式の最後には、夏季休業中に活躍した多くの部活動の表彰を行いました。大きな舞台で力を発揮した部活動もあり、佐井寺中生の頑張りが光る夏となりました。

2学期は、一年の中でも最も大きく成長できる学期です。                                       佐井寺中キャスト全員で「〇〇の輪」を広げながら、まだ見ぬ景色をともに創っていきましょう。

DSC05977.JPG DSC05982.JPG

DSC05983.JPG DSC05985.JPG

DSC05986.JPG DSC05989.JPG

※「〇〇」にどんな漢字が入るか。答えは、まもなく発行される学校だよりにて。

                                       校長 大江健規

【トピックス】佐井寺中学校ブロック 合同研修会

8月24日(月)

今日で夏季休業日も終わりです。

明日から始まる2学期を前に、中学校区の小・中学校の教職員が亥子谷コミュニティーセンターに集まり、ブロック合同研修会を行いました。

IMG_1611.jpg IMG_1613.jpg

昨年度に引き続き、福岡女学院大学から斎藤富由起先生、助手として吉田梨乃先生をお招きし、「生徒支援」をテーマにご講義いただきました。講義とワークショップを交えながら、約2時間にわたって理解を深めました。

研修では、発達段階の特徴や愛着の形成、SST(ソーシャルスキルトレーニング)、SEL(社会性と情動の学習)、そして学級づくりについて学びました。

IMG_1615.jpg IMG_1616.jpg

生徒支援という言葉から、特別な対応や専門的な支援を思い浮かべる方もおられるかもしれません。しかし、今日の研修を通して改めて感じたのは、生徒支援の出発点は、日々の観察と分析、そして情熱を根底にした意図をもった関わりにあるということです。

子どもたちは、それぞれ異なる育ちや経験、思いを抱えています。同じ言葉をかけても、同じ出来事を経験しても、その受け止め方は一人一人異なります。だからこそ、「どうしてだろう」と想像しながら子どもを理解しようとする姿勢が大切であり、その積み重ねが安心して過ごせる学級や学校につながっていきます。

また、小学校と中学校の教職員が一堂に会し、同じテーマについて学び合えたことも大きな意義がありました。中学校区の子どもたちの育ちを見通しながら、同じ方向を向いて支援していくための共通理解を深める貴重な機会となりました。

グループでの交流やワークショップでは、自校だけでは得られない多くの気づきを共有することができました。2学期を目前に控えたこの時期に、教職員の意識を高め、認識をそろえる時間になったことを大変心強く感じています。

IMG_1618.jpg IMG_1621.jpg

ご多用の中、貴重な学びの機会を提供してくださった斎藤先生、吉田先生、そして研修を企画・運営してくださった先生方に心より感謝申し上げます。

明日から2学期が始まります。

佐井寺中校区で暮らす子どもたち一人一人が安心して過ごし、挑戦し、成長できる学校であるために。今日の学びを生かしながら、教職員一同、心を合わせて子どもたちを迎えたいと思います。

                                       校長 大江健規

【トピックス】続・拍手が始まる、その前に。 

8月4日(火)

グランキューブ大阪で開催された中学校ダンス選手権西日本予選大会を応援してきました。                         全国の中学校ダンス部が目標とする大舞台の一つです。                                               

会場には独特の緊張感が漂っています。照明が落ちる。音楽が流れ始める。                                そしてステージいっぱいに広がる表現の世界。

学校ごとに作品の色はまったく異なります。あらためて感じたのは、ダンスにも吹奏楽にも、それぞれの流儀があり、それぞれの学校らしさがあるということです。

佐井寺中学校ダンス部の作品も、確かな「らしさ」を感じるものでした。幕が開いた瞬間から、どこか神秘的で、透明感のある世界が広がります。まるで舞台に光が生まれたかのようでした。

印象的だったのはフォーメーションです。整然としたシンメトリーの美しさ。そして、その均衡を崩しながら生まれるアシンメトリーの躍動感。相反するように見える二つの要素が自然に融合し、一つの作品として成立していました。

さらに見事だったのは、その展開の滑らかさです。一塊の動きから次の場面へ移る瞬間が実に自然です。                          隊形が変わる。人が動く。しかし、その変化が「移動」ではなく「流れ」として見える。                                まるで舞台上を風が吹き抜けていくようでした。

気が付けば景色が変わっている。気が付けば次の場面が始まっている。その連続に惹き込まれました。

もちろん技術面も見事でした。動きの始まりが揃う。終わりが揃う。視線が揃う。身体の角度が揃う。                            しかし、それ以上に心を動かされたのは豊かな表情です。時に凛として。時にやわらかく。一人一人が作品世界を丁寧に表現していました。遠くからでもしっかり認識できました。

一体感と優雅さ。その両方を感じる演技。そして終盤。作品はさらに熱を帯びていきます。最後のフォーメーション。最後の動き。最後のポーズ。音楽が止まりました。そして会場も静まりました。ほんのわずかな時間です。しかし、その静寂には言葉以上のものがありました。観客一人ひとりが、佐井寺中の作品を受け止めている。そんな空気が会場に満ちていました。                                                   そして次の瞬間、大きな拍手が湧き起こりました。

私の中には、今日もまだ、余韻が残っています。                                            吹奏楽部は、音で景色を見せてくれました。ダンス部は、身体で風を見せてくれました。                            どちらも、人の心を動かす表現の力を感じさせてくれる舞台でした。                                 吹奏楽もダンスも、表現の方法は異なります。音で空間を描く者。身体で物語を描く者。                                  競いながらも、多様な表現が認められる。私は、この文化そのものが素晴らしいと思いました。

そして何より、あの瞬間です。会場が静まり、まだ誰も拍手をしていない、ほんのわずかな時間。                                                私は、作品の価値が最も正直に表れるのは、その時間ではないかと思っています。

佐井寺中生、素敵です。Bravi!

なお、会場は撮影が禁止されていましたので、演奏・演技本番の画像はありません。                                              つたない文章ですが、佐井寺中生の熱い挑戦を想像していただければ幸いです。     

DSC00006.JPG DSC00004.JPG                      

                                       校長 大江健規

【トピックス】拍手が始まる、その前に。 

演奏が終わった。演技が終わった。その瞬間、会場は静かになる。                                      そして次の瞬間、大きな拍手が湧き起こる。私は、その間にあるわずかな時間が好きです。                           最後の一音が消えていく時間。最後のポーズが空間に残る時間。誰もが作品の余韻を受け止め、                       その世界から現実へ戻ろうとしている時間です。それは、言葉より正直な時間かもしれません。                           うまく言葉にならないからこそ、静寂になる。その静寂の深さが、                                    作品の持つ力を物語っているように感じます。

この夏、吹奏楽部とダンス部のコンクールを応援しながら、そんなことを考えました。

8月2日(日)

吹奏楽部のコンクール出場を応援してきました。大きな舞台に向け、何度も音を重ねながら準備を進めてきた吹奏楽部。その成果が存分に発揮された演奏でした。                                                       私が特に印象に残ったのは、生徒たちの身体の使い方です。音色に合わせて自然と身体が動く。                         リズムに合わせて動こうとしているのではありません。音楽の流れが身体の中を通り、その響きが自然に表れているようでした。演奏者が音を追いかけるのではなく、音楽の中に身を置いている。そんな感覚です。だからでしょうか。耳を澄ませるたびに風景が広がり、曲が進むごとに場面が移り変わっていくようでした。ソロパートの表現も見事でした。技術を磨くことと、作品を届けることは同じではありません。                                         そのことを感じさせてくれる演奏でした。

コンクールですから結果は示されます。しかし、日頃の活動を知っている者としては、その価値は結果だけでは測れないと感じます。積み重ねてきた時間。磨いてきた感性。乗り越えてきた困難。そして、一つの作品を創り上げる過程。そうしたものすべてが、この日の演奏の中に確かに息づいていると感じました。

コンクール会場では、受付やアナウンス、パンフレット販売、出演団体の誘導など、多くの役割を高校生たちが担ってくれていました。運営する人がいて、支える人がいて、聴く人がいて、その日だけの空間が創り上げられていきます。その姿もまた、コンクールの大切な風景でした。

翌日には、吹奏楽部の皆さんが校長室まで来て、「応援ありがとうございました」とお礼を伝えにきてくれました。演奏はもちろんですが、そのような心配りにも、吹奏楽部の魅力が表れているように感じました。

あらためて、立派な会場を準備していただき、本校生徒にこのような機会を支えてくださった顧問の先生方、そして暑いなか応援に来ていただいた保護者の皆様には、心より感謝申し上げます。                                   日々の指導はもちろん、送迎や楽器の運搬など、多くの支えがあるからこそ、生徒たちは思い切り表現に向き合うことができます。

また、ダンス選手権前日には、ダンス部の皆さんも練習後に校長室を訪ねてくれました。                     本番用の髪型で、プラカードを手に、笑顔で登場。                                         「座席が後方になってしまった」と伝えると、                                                  「大丈夫です。校長先生まで届けます!」と力強く宣言してくれました。                                       その姿から感じたのは緊張感よりも、高い完成度の作品を届けようとする表現者としての高揚感でした。                  

プレゼンテーション1.jpg DSC00005.JPG

DSC00007.JPG DSC00008.JPG

【トピックス】色を奏でる、音を描く

7月24日(金)

昨日まで、ブログの主役は、グラウンドや体育館にあふれる汗と歓声だった。

しかし今日の校舎には、また別の熱が満ちていた。

今日は、工事の音もほとんど聞こえない。

静かな廊下を歩いていると、上の階から様々な楽器の音色が降りてくる。吹奏楽部だ。

コンテストへ向けた秘密特訓中。合奏前のパート別練習である。

フルートの澄んだ響き。金管楽器の伸びやかな音色。打楽器が刻むリズム。

それぞれが独立しているようでいて、不思議と校舎全体を一つの音楽空間へと変えていく。

吹奏楽部のみなさんは演奏者である前に、音を素材に表現するアーティストだ。

聴く人の心を動かす数分間のために、自らの感覚を研ぎ澄ましながら音を磨き続けている。

IMG_1604.jpg   IMG_1601.jpg

IMG_1608.jpg   IMG_1605.jpg

                         (校務員さんの力も借りて‥‥極秘作業)

そんな心地よいBGMに包まれながら、灼熱の廊下を歩いていると、美術室からふと人の気配がした。

恐る恐るのぞいてみる。そこには20名ほどの若きアーティストたち。

エプロン姿でキャンバスと向き合い、手には筆。

果物や彫像、そして謎のマスクが置かれた机を囲みながら、油絵制作に取り組んでいた。

IMG_1596.jpg IMG_1597.jpg
IMG_1598.jpg IMG_1599.jpg

驚いたのは、その静けさである。テスト中とも違う。自習の時間とも違う。

張りつめているのに窮屈ではない。むしろ、創造の空気が部屋いっぱいに満ちている。

約20人が同じ空間にいる。にもかかわらず、不思議なことに誰かの存在が気にならない。

それぞれが繭に包まれているかのように、自分だけの世界に入り込んでいる。

視線はキャンバスへ。意識は色彩へ。同じ教室にいながら、一人ひとりが別々の旅をしているようだった。

美術室全体は静かだったが、その内側では濃密な対話が続いていた。

モチーフとの対話。色との対話。そして自分自身との対話である。

近づいて作品を眺めると、さらに興味深いことに気づく。多くの部員がパレットを使っていない。

よりキャンバス上で輝く色を探すためだろうか。筆先で色を重ね、混ぜ、確かめながら、

そのまま画面の中で色を育てている。

完成図が最初から見えているわけではない。

描きながら発見し、描きながら迷い、描きながら作品と対話する。

その姿は、まさに表現者そのものだった。

思わず取材を始めたものの、あまりの集中ぶりに声をかけることをためらった。

「校長先生、気が散るのでやめてください。」そう言われてもおかしくない雰囲気である(笑)。

そして気づいた。吹奏楽部の音色が、美術室をやわらかく包み込んでいることに。

音楽が流れる中で絵筆が動く。偶然なのか必然なのか。

だが、そこには確かに芸術家どうしにしかわからない共鳴があった。

音を追究する者たちと、色を追究する者たち。表現の方法は違っても、

よりよい作品を生み出したいという願いは同じである。

油絵とは不思議なものだ。同じ果物を見ていても、同じ彫像を見ていても、

完成する作品は一人ひとり異なる。

描いているのは対象でありながら、そこには描き手自身のものの見方や感じ方が映し出される。

今後展示の機会もあるそうだ。

若きアーティストたちが、この夏に積み重ねた時間がどのような作品として結実するのか、

今から楽しみでならない。

スポーツの熱気は、遠くからでも伝わってくる。一方で芸術の熱気は静かだ。

しかし、その静けさの奥に秘められたエネルギーは決して小さくない。

歓声のない場所にも、本気はある。今日の校舎で出会った二つの芸術。

音を奏でる吹奏楽部。色を描く美術部。

いや、彼らはきっと互いに少し違う表現をしているだけなのだろう。

音を描くアーティストたちと、色を奏でるアーティストたち。

夏休みの学校には、こんな上質な熱気も流れている。

IMG_1600.jpg          校長 大江健規

7月22日(水)

この夏、中学生による熱戦は、府下、様々な会場で繰り広げられています。
今日は、大阪プールで行われた水泳競技の大会を観戦してきました。
水泳の大会には、他の競技とは少し違う独特の雰囲気があります。
広いプールに整然と並ぶレーン。スタート前の静寂。そして号砲とともに一斉に水面を切り裂く選手たち。会場には朝から多くの競技プログラムが組まれ、緊張感と熱気が途切れることなく続いていました。
水泳は「水」の競技です。しかし、この日、私が強く感じたのは、水しぶきよりも熱気でした。
力強く腕をかき、壁を蹴り、ゴールを目指す選手たち。
その姿を見ていると、まるでプールの水面から蒸気が立ち上っているように感じました。
それほどまでに、一人ひとりの泳ぎには熱い思いが込められていました。
自己ベストを目指してスタート台に立つ姿。仲間のレースに拍手を送る姿。思うような結果でなくても次の仲間を応援する姿。そこには順位や記録だけでは表せない価値がありました。
中学校における部活動は、結果だけを求めるものではないと思います。
目標に向かって努力すること。仲間と支え合うこと。そして挑戦し続けること。
その過程そのものに大きな意味があるのだと思います。
大阪プールで最も印象に残ったのは、水面に上がる水しぶきではなく、生徒たちのひたむきな挑戦が生み出した熱気でした。この日の数式はきっとこうです。熱気 > 水しぶき
1000005045.jpg 1000005046.jpg
1000005047.jpg 1000005048.jpg
最後になりましたが、2日間にわたりエントリーや引率をしてくださった顧問の先生方、大会運営にご尽力いただいた関係者の皆様に心より感謝申し上げます。立派な会場と整えられた環境の中で、生徒たちが力を発揮できることは決して当たり前ではありません。
また、温かい声援を送り続けてくださった保護者の皆様にも厚くお礼申し上げます。
多くの方々の支えの中で、佐井寺中生は今日も挑戦を続けています。
                                       校長 大江健規

2026年9月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

カテゴリ

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 8.8.5