【トピックス】静かな朝に、想いを寄せて

5月22日(金)

今朝の校内は、どこか不思議なほど静まり返っていました。
1、2年生は校外学習へ。校舎に残るのは、3年生のみです。

いつもであれば、あちこちから聞こえてくる賑やかな声や足音。
けれど今日は、その音の層が一つ減り、校内にはやわらかな静けさが広がっています。
少しだけ「音量を下げた学校」といったところでしょうか。

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登校してくる3年生の様子も、どこか控えめで落ち着いて見えました。
「今日は、僕たちだけですね」――そんなつぶやきが聞こえてきそうです。
ほんのりとしたさみしさと、それでもしっかりしようという思いが、静かに混ざり合う朝でした。

昨日の雨は、校内の草花に小さな贈り物を残してくれました。
葉の先に宿る水滴が、朝の光を受けてきらりと光っています。
空はゆっくり回復へ。
どうか、校外学習中の佐井寺中のみなさんが、雨にあうことなく一日を楽しめていますようにと――
つい「天気へのお願い」をしてしまいます。

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校内に残る3年生は、今日一日の「学校を守る人」。
穏やかな空気の中で、それぞれが机に向かい、落ち着いて学びに向き合っています。
その姿には、最上級生としての重みとやわらかさの両方が感じられました。
少し静かな教室も、3年生がいると、きちんと学校の息づかいを保ってくれるのが不思議です。

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校内を歩いていると、校外学習へ向けた掲示や連絡ボードが目に入ります。
その中にあった「C3」という文字。思わず足を止めました。
スターウォーズ......いや、さすがに違いそうです。
横には太陽の塔。どうやら目的地は、しっかり現実世界にあるようで安心しました。
こうした掲示の一つひとつに、子どもたちと先生方が重ねてきた準備と期待がにじんでいて、見ているこちらの気持ちも少し弾みます。

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ふと目をやると、来客用の靴箱が新しくなっていました。
校務員さんが、丁寧に整えてくださったものです。
整然としていて、とても美しい。
「ここに靴を入れるのが少し気が引けるな」と思うほどです。

日々の草刈りや掃除も含め、こうした環境整備が、学校の心地よさを静かに支えてくださっています。
見えないところでの積み重ねに、あらためて感謝の気持ちが湧いてきます。

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昨日は、吹田市教育委員会の指導主事の先生が来校されました。
授業の様子や生徒たちの学びを参観していただく中で、ひとつの軸となったのが学習用端末の活用です。

筆箱や教科書と同じように、iPadも自然に手に取られる存在へ。
そんな学びの風景が、日常として根づいていくとよいと思います。
もちろん、学習のために貸与されているものであることは、忘れずに。

さて、今日のことに戻ります。

校外で活動している1・2年生のことを思い浮かべながら、校内で一日を過ごしました。
今ごろ、どんな景色を見て、どんな会話をしているのでしょうか。

予定通りにいったことも、少し予定外だったことも、きっとすべてが今日という日に刻まれていきます。

静かな校内と、にぎやかな校外。
それぞれの場所で、それぞれの時間が流れています。

この少しだけ余白のある一日が、また明日の活気を引き立ててくれる――そんな気がします。

そして来週。
少し日焼けした顔と、あふれる声で学校がいつもの表情を取り戻す、その瞬間を思い描きながら、
今日の穏やかな時間を大切に味わいました。

なお、校外学習の模様は、それぞれの学年の【青春ドキュメント記者】がレポートしてくれる予定です。
そちらもどうぞ、お楽しみに。

                                       校長 大江健規

5月20日(水)

本日、2年生の技術の授業を参観しました。場所は技術室です。
課題は、「動く楽しい絵をつくる」でした。

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「絵が動く」と聞いたとき、正直なところすぐにはイメージがわきませんでした。
さらに授業の中で出てきた「クランク機構」という言葉――これは私にとって全くの初耳でした。聞いたことがない、想像もつかない。その響きに、強い興味と同時に大きな戸惑いを覚えました。

授業では、「てこクランク機構」や「往復スライドクランク機構」など、回転運動を往復運動や揺れ動く運動に変換する仕組みを学び、それを使って作品づくりに取り組みます。
前時までに準備されていた工作を見せてもらい、回転していたものが規則的な動きへと変わっていく様子を実際に確認して、ようやくその意味が理解できました。

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しかし、ここからが本題です。                                                                         この仕組みを使って「何を、どのように動かすのか」。目の前には、つなぎ合わされた部品があるだけです。それがどのような「動く絵」になるのか、最初は全くイメージがわきませんでした。
しかし、だからこそ面白さがあります。佐井寺中生のみなさんが挑戦するには、これくらいがふさわしい課題だと感じました。

序盤、生徒のみなさんの中には、手が止まってしまった人も現れました。
どんなデザインにするのか、どのように動きを生み出すのか。簡単には答えが見つかりません。                                                       難しい課題に向き合っている時間でした。

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あきらめかけている人、すぐに助けを求めようとする人、できそうなところでまとめようとする人。
それぞれの姿が見られました。しかし、ここは踏ん張るところです。

生徒のみなさんが昨年度末のアンケートで答えた "身につけたい力"
「粘り強く、自分で考える力を身につけたい」

掲げた以上、それはもう理想ではなく、挑むものです。
先生たちは、「自分で決め、自分で続ける力」を信じます。

簡単に "答え" を求めるのではなく、自分で考え抜く。
思うようにいかなくても、試し続ける。
その一つ一つが、力になります。

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担当の先生は繰り返し語りかけます。
「なぜそうなっているのか、仕組みを考えること」
「何度も試作し、やり直すこと」

言葉の数は多くありませんが、一つ一つに重みがあります。ベテランの先生らしい安定した授業運びと、思考を促す落ち着いた声かけが印象的でした。
また、整えられた教室環境も、生徒のみなさんが集中して課題に向き合うことを支えていました。

私は、「規則的に反復する動きにつながる」という点から、ある場面を思い浮かべました。
あの「夢の国」のアトラクション、『イッツ・ア・スモールワールド』です。規則的に動く人形たちの裏側には、同じような仕組みが活用されているのではないかと考えました。

調べてみると、クランク機構はもっと身近に活用されているものでした。
自転車のペダルの動きや、ミシンの針の上下運動など、生活の中に数多く存在しています。
生徒のみなさんの学習用端末であるiPadも、活用の仕方によってはイメージを広げる有効な手立てになるのではないかと感じました。

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授業の終盤、教室の空気が変わりました。
考え続けていた生徒のみなさんが、自分なりの形を見つけ、少しずつ手を動かし始めます。
ひらめくまでの時間に違いはありましたが、それぞれが「つくる」ことに向かい始めていました。

粘り強く考えた時間が、確かな一歩につながっていました。
これからどのような作品が完成していくのか、とても楽しみです。

今回の課題は決して易しいものではありませんでした。
だからこそ、生徒のみなさんは立ち止まり、考え、試し、自分の力で前に進もうとします。
そうした学びを引き出す課題設定と、ぶれない指導に、心から敬意を表したいと思います。

2年生のみなさん、よく頑張りました。

                                     校長 大江健規

【トピックス】はじめて、もしも、その先へ

5月14日(木)

――今朝は、静かな緊張が、校舎全体を包んでいました。

いつもと同じ登校風景に見えて、どこか違う空気。                                              廊下を歩く足取りも、教室に向かう背中も、ほんの少しだけ引き締まって見えます。

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今日は、中間テスト初日。
とりわけ1年生にとっては、これが "初舞台" です。

問題用紙と向き合うその姿は、まだどこかぎこちない。けれども、その一筆一筆には、                                     「自分の力で向き合おう」という強い意志が宿っています。
テストというと、どうしても"結果"に目がいきがちです。                                           しかし、その前にある「準備しようとした時間」「不安と折り合いをつけた気持ち」                                         そこにこそ、確かな育ちがあります。

初めての経験は、うまくいったかどうか以上に、挑んだこと自体に価値がある。
静寂の中でペンを走らせる1年生の姿が、それを雄弁に語っていました。

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――その静けさは、やがて少し違う緊張へと変わります。

午後は、緊急時集団下校確認訓練。
"もしも" のとき、自分はどう動くのか。誰と帰るのか。どの経路を通るのか。

普段は意識することの少ない問いですが、いざ確認してみると、                                            一つ一つに意味があることに気づかされます。
命を守る行動は、特別な場面で突然できるものではありません。                                                  日常の中で繰り返し確かめ、「考えなくても動ける」レベルまで高めていくものです。

整然と並び、指示を聞き、自分の班を確認しながら下校する姿。
そこには確かな "備え" が育っています。                                                               学ぶことと、生きることは、決して切り離されてはいません。

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――そして放課後。舞台は、先生方へ。

自主研修が実施され、進路指導について学びました。
講師は、進路指導主事としての経験を重ねてきたベテランの先生です。

進路指導の流れ。制度の理解。タイミング。関わり方。
その一つ一つはもちろん大切ですが、それ以上に印象に残るのは、「心構え」の部分でした。

進路とは、単なる "進学先の選択" ではありません。一人一人の生き方に向き合う営みです。

だからこそ、いつ、どんな言葉をかけるのか。
どこまで寄り添い、どこで手を離すのか。
目の前の子どもたちをどう信じるのか。

経験に裏打ちされた言葉の重みが、静かに広がっていきました。

教える側もまた、日々学び続けています。子どもたちによりよい未来を手渡すために。

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――振り返ってみると、今日一日は不思議なほど一つの線でつながっています。

初めてのテストに向き合う1年生。
もしもの時に備えて動きを確認する集団下校。
そして、未来を見据えた進路指導の学び。

どれもが、「今」と「これから」をつなぐ営みです。

日常の中にある一つ一つの場面は、決して単独ではありません。
小さな積み重ねが、やがて大きな力になっていきます。

そのことを、静かに、しかし確かに感じさせてくれた一日でした。

                                    校長 大江健規

5月11日(月)

今年度の入ってから撮影された画像を探していると、三年生の学年集会の画像を発見しました。                      集会が実施されたとき、その場にはいられなかったのですが、一枚見ただけで、だいたいの雰囲気を                       感じることができます。「これはいい集会だな」と自然に思いました。                                     どうやら各クラスの学級目標を交流する会だったようです。司会も進行も生徒が行っている生徒集会なのかなと思います。どのクラスの目標も短くて覚えやすく、ワードセンスがあり、どこか温かい。                              「自分たちで決めました」という空気が写真の中にありました。                                           学級目標というのは、決めた瞬間よりも、1年間このことを意識して生活できたとき、本当に意味で心に残るものになります。もし何年後かに同窓会が行われたとしたら、「学級目標○○だったよな」と振り返ることができるくらいに、大切なフレーズに育てて欲しいと思いました。  

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DSC05433.JPG DSC05416.JPG                                  

5月2日(土) 男子バスケ部がトーナメントを勝ち上がっているとの報告を聞き、近隣市の市民体育館へ応援に行きました。試合はというと......                                                   同点、残り3秒、フリースロー、シュート🏀――そのままタイムアップ。                                           決勝進出となりました。大歓声と興奮のなかで、試合終了のブザーを聞きました。                             あのシュートは、運よく入ったとは思えません。これまで、外したシュート、止められなかった場面、思うようにいかなかった時間。それらを全部受け止めてきた経験が、ラスト3秒の奇跡をもたらしたのだと感じます。素晴らしい試合でした!

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5月10日(日)顧問の先生から案内をいただいたこともあり、三島大会に出場する剣道部の応援に行きました。結果としては、男女とも団体戦で思うところまでは届かなかったのではと悔しそうでしたが、                             試合内容は実に立派でした。                                                                                             特に、女子団体では、昨年度末をもって、本校から異動した先生が顧問をしている学校と、一回戦で戦うことになるという運命的な試合となりました。勝敗はついてしまいましたが、手に汗にぎる試合となりました。

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佐井寺中生の応援をすると、いつもお腹が空きます。帰り道、ふと立ち寄った店で、                                               店員さんに「どうですか」とすすめられた、こてこてスープのらーめんを食べて、                                           満腹になり、「もう何もしない」と、ゴロゴロしながら休日を過ごしました。

                                       校長 大江健規

5月7日(木)

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生徒会執行部として評議委員会、生徒総会に出席しました。                                       評議委員会では各委員長の顔合わせや生徒総会の流れの確認を行いました。                                  生徒総会では全校生徒参加のもと生徒会および各委員会が半期の活動方針などを発表しました。                       どの委員会の目標もしっかりと活動に対する熱意を感じられるような練られたものばかりで                           すごいなと思いました。生徒会も熱心にスローガンを考え、意味が伝わるように丁寧にみなさんに活動方針を説明しました。私も、ここで発表したことをただの目標にはせず、半期で必ず達成するゴールとして活動して行こうと思いました。

                                        (副会長 T記者)

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私は、生徒会執行部として、評議委員会や、生徒総会に出席させていただきました。
評議委員会では、生徒総会の流れや、セリフなどの確認を行っていました。
生徒総会では、より良い学校にしていくための各委員会のとても良いスローガンと                                 活動方針が決定されました。とても、素早く正確に進み良かったと思います。                                                     これは、時間を捻り出し、一斉委員会や評議委員会で打ち合わせをしたり、                                         各々が休みの間に練習をしてきて臨む、という皆さんの努力があったからだと思います。
実は一斉委員会の時にスローガンが決まらず、話し合いやじゃんけんで決めたり、                                   とても準備が大変だった委員会もありました。
私も、生徒会の一員であり、学校の生徒の一員として皆が楽しい学校を作れるよう頑張りたいです。                     

                                       (執行委員 T記者)

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評議委員会と生徒総会という二つの大きな節目を終え、私は生徒会執行部として                                     「責任」と「期待」という言葉を強く胸に刻んでいます。
評議委員会では、各委員長が「学校をどう変えたいか」という強い自覚を持って臨む姿があり、                              会場には心地よい緊張感が漂っていました。続く生徒総会では全校生徒の前に立ち、                                       半年間の活動方針を発表しました。どの委員会も、単なる形式ではなく                                           「どうすれば皆が過ごしやすくなるか」を真剣に考え抜いた熱意ある目標を掲げており、                                 その志の高さに圧倒されました。私たち執行部も、スローガンの意味が真っ直ぐ伝わるよう、                         言葉一つひとつを大切に丁寧に説明しました。
この経験を通じ、本番を支える「準備」や「想い」の大切さを学びました。                                       仲間の影の努力を知っているからこそ、その言葉は重く、頼もしく感じられます。                                   この期待を力に変え、責任を持って活動していく決意です。

                                       (執行委員 K記者)

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【トピックス】教室を熱くする "引き合う力"

5月8日(金)

今日は、3年生理科の授業を参観しました。

学習内容は「原子」。原子核、電子、イオンなど、目には見えない世界がテーマです。

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授業が始まり、担当の先生が教室に立ち、3分も経たないうちに、                                    「この授業は安心して見ていられる」と感じました。
立ち姿、声のトーン、話す速度や強弱、そして何といっても絶妙な間の取り方。
その一つ一つが心地よく、教室の空気をすっと整えていきます。
生徒のみなさんも構えることなく、自然と学びの世界に潜り込んでいきました。

授業の始まりは、先生のご家族との何気ない会話から。                                                特別な演出はありませんが、日常の一場面が、そのまま学びへの入口になっていました。
今日の理科の学びは、教室の中だけの話ではなく、私たちの身体とつながっている。                                     そのことが、溶け込むように、しかし確かに伝わってきました。

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授業は、教科書を順に説明していく形ではありません。まず「今日は何を学ぶのか」という見通しを示し、       その後は、生徒のみなさんが教科書を参考書のように使いながら、自分の力で要点を整理していきます。
ペアワークへの移行も自然で、確認と深まりが無理なく生まれていました。
先生は前に立って引っ張るのではなく、学びが進む方向をそっと支えています。

教科書を「学ばされる」のではなく、「教科書で学ぶ」。
自分で読まなければ前に進めない構成だからこそ、早く課題を終えた生徒は、次のページが気になります。
「次はどうなるのだろう」「どこにつながるのだろう」。知的好奇心が、ちらほらと、静かに行き交い始めていました。                                                          

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思い出したのは、年度初めに行ったアンケートです。
佐井寺中生のみなさんは、「なりたい自分」として、「自分でできるようになりたい」と答えていました。
今日の授業には、その答えがありました。教えてもらうのを待つのではなく、                                          自分で読み、考え、確かめ、次へ進もうとする姿。
まさに、「自分でできるようになる」ための学びが、教室の中に広がっていました。

終盤には、化学式に関わる少し難易度の高い問いが提示されます。
「あれ?」「なぜ?」と立ち止まる瞬間。それまでとは質の異なる、より深い思考が求められる場面でした。
今日の学びが、その問いを考えるための確かな手がかりになっていることを、                                          生徒のみなさんが感じ取っている様子が印象的でした。

担当の先生は、本校に着任してまだ1か月。それでも、この教室には、すでに確かな関係が育っています。
先生は原子核のように教室の中心に静かに構え、生徒のみなさんは電子のように思考を巡らせ、動き回る。
ただ指示されて動くのではなく、学びそのものに引き寄せられて動いている。
先生と生徒が、教える側・教えられる側という関係を超えて、学びで引き合っている。                               そんな雰囲気が、教室全体に満ちていました。

素晴らしい空気感。それを作っているのは、「教材」「3年生」、そして「先生」です。
そして同時に、はっきりと思いました。3年生は、まだまだ、もっと難しい課題にも挑戦できる。

さらに深い問いを投げかけても、その問いに引き寄せられ、考え抜くことができる。
そして担当の先生ならば、それをしっかりと支えることができる。

目には見えない原子の世界を学びながら、教室では、目には見えない力が確かに働いていました。
引き合い、刺激し合い、少しずつ温度が上がっていく学び。

どうやら、この教室――
「自分でできるようになりたい」という思いが、もう反応を始めているようです。

                                        校長 大江健規

【トピックス】卯月から皐月へ

5月1日(金)

古典の授業を思い出しましょう。
5月は、「皐月(さつき)」。
田植えをする月、「早苗」を植える季節に由来するとも言われています。自然も人も、大きく動き始める時期です。学校もまた、この5月から本格的なリズムへと入っていきます。
その皐月を迎える前の4月は、「卯月(うづき)」。
卯の花が咲く頃、あるいは草木が芽吹き、生命が一斉に動き出す月とされています。新しい環境、新しい人間関係、新しい学び。少しの不安と期待を抱えながら、一歩を踏み出す4月の学校の姿は、まさに卯月そのものだと感じます。新年度が始まり、校内には新しい空気が流れました。
教室では、まだ硬さの残る表情、慎重なやりとりも見られましたが、日を追うごとに、少しずつ「今年度の学校生活」が形になってきました。

4月は、私自身、できるだけ校舎を歩き、授業の様子を観察しました。

3年生の数学では、因数分解を学んでいます。式を操作していく中で、複雑に見えていたものの構造がふっと見えた瞬間、生徒のみなさんの表情が変わることがあります。式を分けたり、つなぎ直したりすることで、新しい発見が生まれ、意味が立ち上がってくる。その過程にこそ、数学ならではの面白さがあります。授業を参観しながら、以前、ある映画監督が語っていた「映画撮影には数学が隠されている」という話を思い出しました。
たとえば、ある大人が子どもAに飴を渡す場面を撮影すると、子どもAは当然うれしそうに笑顔になります。次の場面では、子どもBが同じ種類の飴を持ち、やはり笑顔を見せている。画面には、その大人が子どもBに飴を渡す瞬間は映っていません。それでも私たちは自然と、「この大人は、子どもBにも飴を渡したのだな」と理解します。見えている事実を手がかりに、見えていない過程を想像する。この感覚の中にこそ、数学の因数分解が隠されているのだ、という話でした。
答えだけを追うのではなく、そこに至る思考の道筋をたどること。その積み重ねが、物事の本質を読み解く力につながっていく。学問は、日常と結びついたときにこそ生きたものになる――そんなことを改めて考えさせられました。

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2年生の社会では「資源とエネルギー」を学んでいました。
統計資料を見ると、日本が多くの資源を海外に依存している現実がはっきりと表れます。欲を言うのであれば、そこから、「世界の中で日本はどう生きていくのか」という問いが生まれてきて欲しい。
資源のある国と良好な関係を築き、安定した輸入を確保するのか。
それとも、再生可能エネルギーへと大きく舵を切るのか。
はたまた、その両方をバランスよく進めていくのか。
どの道を選ぶにしても、そこには大きなコストと覚悟が伴います。
大切なのは、教科書に書かれている知識を知ることだけで終わらせないことです。書かれている事実から何を考えるのか。自分というフィルターを通して、社会をどう捉えるのか。その積み重ねが、生きてはたらく学力につながり、探究への一歩になるのだと思います。
「教科書を学ぶ」から「教科書で学ぶ」へ。
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体育館では、体力測定(?)が行われていました。
5月もできるだけ参観をして、佐井寺中生の学びに向かう姿を丁寧に観ていきたいと思います。
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今年度に入ってから、昼休みに、運動場で体を動かして過ごす生徒の姿が増えてきましたように感じます。
はつらつとしていて、とても素敵な光景です。
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1年生にとっては、慣れない生活の疲れが出てくる頃かもしれません。                                卯月が駆け抜けるように終わり、皐月へ。
ゴールデンウィーク後から、学校生活はさらに本格的になります。
この節目に、しっかりと英気を養い、また新たな気持ちで日常に向かってほしいと思います。                   
4月の学校には、確かに芽吹きの力が満ちていました。
                                       校長 大江健規

【トピックス】授業参観・学級懇談会

4月28日(火)

今日は、授業参観と学級懇談会。

授業参観は、全学年・全学級が「道徳」                                             各学年がつながりのあるテーマで学ぶという、少し特別な一日でした。

保護者のみなさまがお越しになることもあり、朝から校務員さんが校内を丁寧に点検し、                          隅々まできれいに掃除をしてくださいました。

午後になり、各教室の前には、次々と保護者のみなさまの姿。
教室に入りきれず、廊下から参観される方もおられました。
教室と廊下、その境目がなくなるほどの人の気配でした。

生徒のみなさんは、やはり少し緊張しているように感じました。
視線はまっすぐ前を向いていますが、横や後ろが気になって仕方ない――
そんな様子でしょうか。
けれど、授業が始まり、グループワークが始まると、表情も少しずつ和らいでいきました。

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机を寄せ合い、顔を近づけ、言葉を探す。
声が、交差し始めます。
正解を伝え合うためではなく、考えを深めるための対話。
道徳の時間で大切にしたい姿が、そこにありました。

保護者のみなさまは、その様子を静かに見守っておられました。
子どもたちが話す姿、仲間の話に耳を傾ける姿、
言葉に詰まりながらも考え続ける姿。
きっと、普段はなかなか見ることのできない学校での一場面だったと思います。

放課後は、担任と保護者のみなさまとの初めての学級懇談会。
これから一年間、同じ方向を見て、子どもたちを支えていく、
その第一歩となる時間でした。

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ご来校いただいた保護者のみなさま、ありがとうございました。
今日の対話の続きは、また明日からの教室にあります。
「家に帰って伝えたい学びが、今日も学校にあった」
そんな学校づくりを、これからも目指していきます。

                                      校長 大江健規

【トピックス】3年生の挑戦

4月23日(木)

今日は、3年生が全国学力・学習状況調査に挑戦しました。
20日は英語(読む・書く・聞く)、今日は国語と数学、                                          そして5月11日には英語(話すこと)があります。

この調査は、「みなさん一人ひとりが、どんな力を身に付けてきたのか」を確かめ、
「これからを、もっとよくするため」に行われるものです。                                        先生たちがより良い授業づくりにもつながっていく調査になります。
点数で比べるためではありません。
みなさんの学びを、次につなげるための大切な材料です。

難しい問題もあったではないでしょうか。
それでも、最後まであきらめずに考え、真剣に向き合った姿は本当に立派です。
静かに集中して挑戦したこと自体が、大きな成長です。

残る英語(話すこと)まで、3年生のみなさんの健闘を応援しています。

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                                     校長 大江健規

【トピックス】『国名』が世界の扉をひらく瞬間

4月14日(火)

「校長先生、授業観に来てくれませんか?」
思わず心の中で「もう?」とつぶやきました。新年度が始まったばかりのこの時期に、先生の方から授業参観の声がかかることは、そう多くありません。その一言に、授業への前のめりな姿勢と、「まずはやってみる」という軽やかな覚悟のようなものを感じました。

今年度最初の授業参観は、1年生社会科。「どんな国があるのだろう」という課題です。1年生のみなさんとは、授業の中での初対面。どんな発言が飛び出すのか、どんなつぶやきが転がるのか、どんな対話が立ち上がるのか......こちらの気持ちも、自然と一段上がります。                                                                               冒頭、先生は「世界の国の数は?」と質問されました。答えは「190あまり」                                                       「ん!? あまりって何だ??」いきなりの疑問でした。みなさんも考えてみてください。

授業者は、今年度本校に異動してきたばかりの先生。提示された課題は驚くほどシンプルでした。「国名を、思いつく限り挙げてみよう」。ところが、この一言が授業をぐっと前へ動かしていきます。まずは個人で頭の中をブレインストーミング。その後、ホワイトボードに国名をリレー形式で書き足していくと、先生が問いを投げるより先に、1年生のみなさんの口が動き始めました。「正式名称は?」「どの大陸?」「海に接してる?」「共和国って?」「州って何?」。これから学んでいくはずの地理の視点が、すでに教室のあちこちで芽を出しています。まさに、生徒の疑問が次の学びを連れてくる瞬間でした。先生の声はとても落ち着いていて、大きさも、音域も心地よく、1年生のみなさんのつぶやきをさえぎることはありません。かといって決して放任ではなく、しっかり空気は掴んでおられます。この表現のしようがない間や雰囲気、さすがです。

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国名を挙げているだけなのに、気づけば世界はぐんと広がり、地図帳の扱いも変わっていきます。「開きなさい」と言われる前に、いつのまにかページがめくられ、「知っているつもりだったのに」「そんな見方があったのか」と、小さな驚きが連続します。学びの入口には、やはり無理な力は要らないのだと、教室の様子が教えてくれました。

後半はペアワークを軸に対話を重ね、最後はグループワークで「分類」へ。「分類」は社会科では定番の手法ですが、出会って間もないクラスメイトどうしが、ここまで活発に言葉を交わす姿には、思わず背筋が伸びます。「地形」「地域」「宗教」といった視点が自然に生まれ、刺激された私の頭の中では「気温」「言語」「食」「産業」「政治」などが、勝手に合流してきました。

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次の時間から、これらを一つずつ掘り下げていくとのことですが、その道のりは決して一本道ではなさそうです。今年度最初の授業参観は、佐井寺中生の学びが、「問いを抱えながら、自分たちの足で進んでいく一年になる」ことを、そっと知らせてくれました。そして今日の先生の立ち姿は、まさに「子どもたちの学びを信じる伴奏者」でした。

教室にあったのは、構えすぎない大人の背中と、遠慮なく問いや疑問をつぶやく子どもたちの姿。その組み合わせが、これからどんな世界地図を描いていくのか――想像するだけで、次のページが楽しみになります。

「どんな国があるのだろう」 とてもとてもシンプルな問いが、学びの扉になっていたのでした。                    

                                        校長 大江健規

追伸:この文章を投稿しようとしたとき、担当の先生が、「見てください!」と、生徒のみなさんのワークシート持ってきてくれました。楽しみです!

2026年5月

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