5月14日(木)
――今朝は、静かな緊張が、校舎全体を包んでいました。
いつもと同じ登校風景に見えて、どこか違う空気。 廊下を歩く足取りも、教室に向かう背中も、ほんの少しだけ引き締まって見えます。

今日は、中間テスト初日。
とりわけ1年生にとっては、これが "初舞台" です。
問題用紙と向き合うその姿は、まだどこかぎこちない。けれども、その一筆一筆には、 「自分の力で向き合おう」という強い意志が宿っています。
テストというと、どうしても"結果"に目がいきがちです。 しかし、その前にある「準備しようとした時間」「不安と折り合いをつけた気持ち」 そこにこそ、確かな育ちがあります。
初めての経験は、うまくいったかどうか以上に、挑んだこと自体に価値がある。
静寂の中でペンを走らせる1年生の姿が、それを雄弁に語っていました。

――その静けさは、やがて少し違う緊張へと変わります。
午後は、緊急時集団下校確認訓練。
"もしも" のとき、自分はどう動くのか。誰と帰るのか。どの経路を通るのか。
普段は意識することの少ない問いですが、いざ確認してみると、 一つ一つに意味があることに気づかされます。
命を守る行動は、特別な場面で突然できるものではありません。 日常の中で繰り返し確かめ、「考えなくても動ける」レベルまで高めていくものです。
整然と並び、指示を聞き、自分の班を確認しながら下校する姿。
そこには確かな "備え" が育っています。 学ぶことと、生きることは、決して切り離されてはいません。


――そして放課後。舞台は、先生方へ。
自主研修が実施され、進路指導について学びました。
講師は、進路指導主事としての経験を重ねてきたベテランの先生です。
進路指導の流れ。制度の理解。タイミング。関わり方。
その一つ一つはもちろん大切ですが、それ以上に印象に残るのは、「心構え」の部分でした。
進路とは、単なる "進学先の選択" ではありません。一人一人の生き方に向き合う営みです。
だからこそ、いつ、どんな言葉をかけるのか。
どこまで寄り添い、どこで手を離すのか。
目の前の子どもたちをどう信じるのか。
経験に裏打ちされた言葉の重みが、静かに広がっていきました。
教える側もまた、日々学び続けています。子どもたちによりよい未来を手渡すために。

――振り返ってみると、今日一日は不思議なほど一つの線でつながっています。
初めてのテストに向き合う1年生。
もしもの時に備えて動きを確認する集団下校。
そして、未来を見据えた進路指導の学び。
どれもが、「今」と「これから」をつなぐ営みです。
日常の中にある一つ一つの場面は、決して単独ではありません。
小さな積み重ねが、やがて大きな力になっていきます。
そのことを、静かに、しかし確かに感じさせてくれた一日でした。
校長 大江健規






















