【トピックス】「自分で決め、自分で続ける」その真価が問われる瞬間

5月20日(水)

本日、2年生の技術の授業を参観しました。場所は技術室です。
課題は、「動く楽しい絵をつくる」でした。

IMG_1365.jpg IMG_1364.jpg

「絵が動く」と聞いたとき、正直なところすぐにはイメージがわきませんでした。
さらに授業の中で出てきた「クランク機構」という言葉――これは私にとって全くの初耳でした。聞いたことがない、想像もつかない。その響きに、強い興味と同時に大きな戸惑いを覚えました。

授業では、「てこクランク機構」や「往復スライドクランク機構」など、回転運動を往復運動や揺れ動く運動に変換する仕組みを学び、それを使って作品づくりに取り組みます。
前時までに準備されていた工作を見せてもらい、回転していたものが規則的な動きへと変わっていく様子を実際に確認して、ようやくその意味が理解できました。

IMG_1380.jpg IMG_1388.jpg

しかし、ここからが本題です。                                                                         この仕組みを使って「何を、どのように動かすのか」。目の前には、つなぎ合わされた部品があるだけです。それがどのような「動く絵」になるのか、最初は全くイメージがわきませんでした。
しかし、だからこそ面白さがあります。佐井寺中生のみなさんが挑戦するには、これくらいがふさわしい課題だと感じました。

序盤、生徒のみなさんの中には、手が止まってしまった人も現れました。
どんなデザインにするのか、どのように動きを生み出すのか。簡単には答えが見つかりません。                                                       難しい課題に向き合っている時間でした。

IMG_1367.jpg IMG_1369.jpg

あきらめかけている人、すぐに助けを求めようとする人、できそうなところでまとめようとする人。
それぞれの姿が見られました。しかし、ここは踏ん張るところです。

生徒のみなさんが昨年度末のアンケートで答えた "身につけたい力"
「粘り強く、自分で考える力を身につけたい」

掲げた以上、それはもう理想ではなく、挑むものです。
先生たちは、「自分で決め、自分で続ける力」を信じます。

簡単に "答え" を求めるのではなく、自分で考え抜く。
思うようにいかなくても、試し続ける。
その一つ一つが、力になります。

IMG_1372.jpg IMG_1384.jpg

担当の先生は繰り返し語りかけます。
「なぜそうなっているのか、仕組みを考えること」
「何度も試作し、やり直すこと」

言葉の数は多くありませんが、一つ一つに重みがあります。ベテランの先生らしい安定した授業運びと、思考を促す落ち着いた声かけが印象的でした。
また、整えられた教室環境も、生徒のみなさんが集中して課題に向き合うことを支えていました。

私は、「規則的に反復する動きにつながる」という点から、ある場面を思い浮かべました。
あの「夢の国」のアトラクション、『イッツ・ア・スモールワールド』です。規則的に動く人形たちの裏側には、同じような仕組みが活用されているのではないかと考えました。

調べてみると、クランク機構はもっと身近に活用されているものでした。
自転車のペダルの動きや、ミシンの針の上下運動など、生活の中に数多く存在しています。
生徒のみなさんの学習用端末であるiPadも、活用の仕方によってはイメージを広げる有効な手立てになるのではないかと感じました。

IMG_1378.jpg IMG_1383.jpg

授業の終盤、教室の空気が変わりました。
考え続けていた生徒のみなさんが、自分なりの形を見つけ、少しずつ手を動かし始めます。
ひらめくまでの時間に違いはありましたが、それぞれが「つくる」ことに向かい始めていました。

粘り強く考えた時間が、確かな一歩につながっていました。
これからどのような作品が完成していくのか、とても楽しみです。

今回の課題は決して易しいものではありませんでした。
だからこそ、生徒のみなさんは立ち止まり、考え、試し、自分の力で前に進もうとします。
そうした学びを引き出す課題設定と、ぶれない指導に、心から敬意を表したいと思います。

2年生のみなさん、よく頑張りました。

                                     校長 大江健規

この記事について

このページは、ウェブ管理者が2026年5月20日 17:15に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「【トピックス】はじめて、もしも、その先へ」です。

次の記事は「【トピックス】静かな朝に、想いを寄せて」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

カテゴリ

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 8.8.4