10月30日(木)
今日は、3年生の国語の授業を参観しました。題材は『論語』。孔子先生の言葉が、令和の中学生たちの心にどう響くのか...と、少々緊張しながら教室に足を踏み入れました。

授業のスタートは、教科書に紹介されている論語の有名な一節をいくつか取り上げ、書き下し文にしたり、意味を理解したり、音読したりして、まずは漢文に親しむ時間。古典の世界への入り口として、丁寧で温かみのある導入でした。


中盤以降は、学習班で2つの課題に向き合う展開。1つ目の課題は「論語の一節と我々の日常」。2つ目は「あなたは教科書の編集者。論語からもう一節を掲載するとしたら?」という、まるで出版社の編集会議のような問いかけ。1時間の授業の中に、「共有できる課題」と「ジャンプする課題」が巧みに組み込まれ、本校が目指す「主体的・対話的で深い学び」を実現した模範のような授業でした。
生徒のみなさんは、孔子の言葉を自分の視点で読み解き、班で共有し、対話や議論を通して学びを深めていました。教室には、心の壁がありませんでした。誰もが国語に入り込み、班活動もスムーズ。互いの意見に耳を傾け、笑顔でうなずき、時に真剣な表情で問い直す姿に、これまで積み上げてきた学びの土台がしっかりと根を張っていることを感じ、胸が熱くなりました。


そして、授業をデザインした先生にも拍手を送りたいと思います。論語という古典を、現代の中学生が自分事として捉えられるように仕掛けを施し、問いを立て、班活動に落とし込むその手腕。「教科書を教える授業」ではなく、まさに「教科書で教える授業」でした。
さて、論語といえば、私が個人的に気になる一節があります。
「吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。」
私は現在、五十歳。しかし、、、天命を知るには、まだまだ修行が足りません。 今日の授業を見て発見しました。『十』と『五』を入れかえてみよう。 「五十にして、なお学に志す」――これも悪くないです。 私も「志学」のときを迎えている3年生のみなさんと共に学びます!
午後には、後期生徒会執行部の認証式を校長室で行いました。新たなリーダーたちに伝えたのは、「私たちの学校」を目指してほしいということ。誰かのために動くこと、仲間の声に耳を傾けること、そして自分の言葉で語ること。その姿勢こそが、学校をより良くする力になります。
最後に、認証式を終え、自分への励ましも込めて、論語の一節を選びました。
「己を修めて以て人を安んず」
自分を磨くことで、周囲の人を安心させることができる。そんなリーダーたちを、心から応援しています。
校長 大江健規
