10月31日(金)
今日は、「吹田の授業づくりupdateプラン」による、佐井寺中での2回目の公開授業の日でした。本校からは、国語科・英語科の2名の先生が授業力向上プランに登録し、日々研鑽を積んでいます。自ら学び続ける先生方の姿は、まさに"授業づくり愛"の体現です。
指導助言をいただいたのは、前回に引き続き、吹田市教育センターが年間を通して依頼している齊藤一弥先生です。授業づくりに対する深い洞察と的確な助言は、本校の先生方にとって大きな学びとなりました。
【1年生国語】芥川龍之介「トロッコ」
問いを立て、班で解釈し、発表するという構成。発表にはまだ慣れていない様子もありましたが、初々しさの中にも、確かな理解と表現力が感じられました。班活動もスムーズで、話す順番を決めなくても自然に対話が始まるあたり、佐井寺中の生徒力、侮れません。
齊藤先生からは、事後に多くの指導や助言をいただきましたが、特に印象的だったのは、「で」を使うところを、あえて「に」を使っている芥川の文章の妙についてのご指摘です。ここを1年生に考察させたかった、そこに文学作品を扱う価値がある――非常に心に残る言葉でした。授業を参観していない方には伝わりにくいかもしれませんが、「で」と「に」です笑



【2年生英語】英語でプレゼンテーション
テーマは「佐井寺中に取り入れたいユニバーサルデザインの商品や設備をAETや校長に紹介する」。もちろん英語で。担当の先生は、ほぼオールイングリッシュで授業を展開していましたが、生徒のみなさんにはこれまでの積み重ねが感じられ、ペアワークもグループ活動もスムーズ。全員が課題にしっかり取り組んでいました。
齊藤先生からは、「起動」と「欲」についての深いご指摘がありました。「英語で」という課題設定が、生徒のみなさんにとって壁になっているという分析は、子どもたちの実態から授業を構想するという、授業づくりの本質に迫るものでした。これも授業を参観していない方には分かりづらいかもしれませんが、「起動」と「欲」です。



ここからは、私のひとりごと的な感想です。
授業づくりって、やっぱり楽しい。こうした素晴らしい授業に立ち会うと、どうしても「自分もまた授業をしたい」という気持ちが湧いてきます。
もちろん、校長という立場は自ら決意して選んだものであり、今の役割に誇りを持っています。でも、授業づくりの現場に触れるたびに、教室で生徒と向き合う時間の尊さを思い出してしまいます。
そして今日、齊藤先生からいただいた「子どもたちの有能さを信じる」という言葉が、心に深く残りました。説明してしまう、誘導してしまう、指示してしまう――教員の"悲しい性"への静かな指摘。その言葉は、授業づくりの根幹にある「信じる力」の大切さを、改めて私たち教員に問いかけてくれました。
今回の公開授業を通して、改めて感じたのは、こうした機会がいかに貴重であるかということです。吹田市教育センターには、このような素晴らしい研修を企画・運営していただいていることに、心より敬意を表します。また、他校からご参観くださった先生方にも厚く御礼申し上げます。そして何より、齊藤先生には、授業づくりの楽しさと奥深さを改めて教えていただいたことに対し、本校を代表して感謝申し上げます。
佐井寺中の生徒のみなさん、今日も素晴らしい姿を見せてくれてありがとう。授業研究はやはりLIVEで参観し、感じるもの。これからも本校の先生方には、様々な研究会や授業づくりの研修にどんどん出向いてほしいと思います。


校長 大江健規
