10月20日(月)
今日は、2年生の社会科・歴史の授業を参観しました。
テーマは「鎌倉幕府の滅亡に迫る」

担当の先生は、元寇から始まる幕府の揺らぎを起点に、徳政令による経済的混乱、そして後醍醐天皇による倒幕運動へと至る流れを、丁寧にストーリー仕立てでファシリテートしていきます。

私が中学生だった頃の歴史の授業といえば、年号と出来事をひたすら暗記する「一問一答スタイル」。まるで歴史が"点"の集合体のように感じていたものです。ところが今日の授業では、歴史が"線"となってつながり、"面"となって広がっていく。臨場感を感じる時間が続きました。
- 元寇:御家人たちは命をかけて防衛にあたるも、恩賞が十分に与えられず、不満が募る。
- 徳政令:借金帳消しの法令が出されるが、経済の混乱を招き、幕府の信頼はさらに低下。
- 後醍醐天皇の倒幕運動:朝廷が幕府打倒を掲げ、各地の武士たちに呼びかける。
- 足利尊氏の登場:幕府側の有力武士であった尊氏が天皇側につき、ついに鎌倉幕府は滅亡。
この流れを、単なる年表ではなく、「幕府」「御家人」「朝廷」それぞれの立場に立って考えるという多角的な視点で学ぶ授業でした。生徒のみなさんは、どの立場にどんな葛藤があったのかを想像しながら、歴史の因果関係や利権構造、対立の背景に迫っていました。
先生が提示するスライドは非常にわかりやすく、資料の選定も的確。生徒のみなさんは、歴史上における政策の課題が、現代社会の制度や価値観の形成にどうつながっているかを考えるきっかけを得ていました。

歴史を学ぶとは、過去の出来事を知るだけでなく、そこから現代を照らす視点を得ること。
「今、自分たちが暮らす令和の社会はどうなのか?」を、歴史というフィルターを通して見つめること。
まさに "真正な学び" が、教室の中で育まれていることを感じました。
それにしても、歴史の舞台裏には、いつも人間ドラマがあるものですね。
誰がどこで、何を選び、どう動いたのか。
その選択の積み重ねが、今の私たちの社会につながっているのだと思うと、歴史はやはり面白い。
校長 大江健規
