11月8日(金)
午後は、研究授業が行われました。教科は数学、1年生が1クラスだけ残り、
教員全員で授業を参観し、その後、研究協議を行いました。
市教委からも指導主事が3名お越しになり、本校の授業づくりの取組について助言をいただきました。
まずは、授業を公開していただいた授業者の先生、学びの姿を見せてくれた生徒のみなさん、
ありがとうございました。
授業内容は「比例とある関数」ともなって変わる2つの数量x、yの関係が「比例」の関係になっている
場合について、式や対応表、グラフで変化の様子を表してきた経験をもとに、ある関数の場合はそれらの
関係はどうなるのか? 学習班で予測し、確かめていくという学習でした。
比例とある関数については、小学校でも学習していますが、中学校では負の数を学びましたので、
さらに深い発展した学習となります。
今日の授業は、1つの単元のなかで、「何も学習していないことをまとめること」から始めるという
時間でした。非常にチャレンジングな課題です。
習っていないことをひとまず考えてみる。予測してみる。計算してみる。グラフを描いてみる。
先生たちは、生徒のみなさんがどんな反応をするのか? 学習班のなかでどんな対話をするのか?
とても楽しみでした。課題が提示されてから、まずは個人で考えるのですが、その中で自然と
「どうするの?」「これでいいの?」などのつぶやきが生まれ、温かい空気が広がっていくように対話が
始まりました。その後、学習班の形になっても対話は続きます。すべての学習班である関数についての
考察が続いていきます。
特に活発な対話となったのは、「x=0のときのyの値」「グラフの形状」 さてどうなるのでしょうか?
さまざまな形のグラフが描かれていきます。小学校のときの学習を思い出す人、教科書を見て参考に
している人、仲間のプリントをのぞき込む姿、議論する姿、考え込む姿。
先生たちが期待している理想の学びの姿が、たくさん見られました。
授業者の先生の「背伸びとジャンプ」を生み出す課題設定、見事でした。
授業の最後には、「なぜそう考えたのか?」を全体に伝えようと挑戦する人も現れ、生徒のみなさんは、
ワークシートに「気づいたこと」をメモし、まとめとしました。
次の授業からメモされたことがらの中から「分からなかったこと」が明るみになっていくわけです。
その分からなかったことが、この単元を貫く問いになっていく。まさにカリキュラムマネジメントです。
授業後には参観した先生方全員で、授業のふりかえり「研究協議」となりました。
吹田市教育センターからは3名の指導主事がお越しになり、指導助言をお願いしました。
この研究協議、さらに驚くことがありました。それは、佐井寺中の先生方の「生徒の活動を切り取る眼力」
です。先生たちは、観察する班を分担し、生徒のみなさんが50分間でどんな学びをしたのか、具体的な
発言・活動からつぶやきまですべて拾い上げ、再現して授業者の先生に還元しました。その再現や分析が
素晴らしかったです。そして、このことは教科の枠を超えて、自分自身の授業につながります。
このような授業研究を通して、「子どもを見る目」を互いに磨き上げていく。教員としての学びと育ちが
そこにはありました。そして授業者の先生への惜しみない敬意。互いの経験や力量を指摘しあう刺々しさは
なく、佐井寺中の子どもたちの学びを、チームで支える温かい雰囲気がありました。
企画・運営を担ってくれた先生方ありがとうございました。
最後には指導主事から、具体的な成果と課題が示されて、しっとりした空気に包まれました。
ご指導ありがとうございました。
今年度、一番大きな研究授業でしたが、中堅教員が提案性の高い授業に挑戦をし、教員全員で
子どもの学びに目を向ける。非常に有意義な研修のパッケージでした。
本校の授業づくりは、この研修を機に、大きくゲームチェンジしていきます。 校長 大江健規