このシリーズでは、11月の参観に向けての各クラスの保育の様子や工夫したところをお伝えしていこうと思います。今回は第1回目、年中児うさぎ組の取り組みをお伝えします。
≪きっかけ≫
年少児ひよこ組が行った公園でとってきたたくさんのどんぐり。そこから、幼稚園ではどんぐりや秋の自然物に興味を持つ子供がたくさん出てきました。そんな姿から、どんぐりをテーマにした遊びを各クラスでしてみよう! ということになりました。そして、その様子を11月の参観で見てもらおう! ということが決まり、各クラスでの取り組みがスタートした というわけです。
うさぎ組は、1学期から紙と紙をつなげたり、工作をしたりするのが好きな子供が多くいました。このことから、秋の自然物を使った製作をたくさん経験していくことに。
はじめは好きな遊びの時間にどんぐり転がしを一部の子供が作っていましたが、その遊びが少しずつ広がっていき、
こんな大きな共同製作も出来ました。
これは、段ボールカッターという物で、子供でも安全に段ボールが切れるという優れものです。今までは、個人で製作を楽しんでいたうさぎ組の子供たちですが、このような大型の製作になると一人ではとても作れません。どうしても友達に手伝ってもらう必要があります。
そこで、
「ちょっとここ持っててくれる?」「いいよ」といった会話や、
「これ一緒につくろ!」「うん! じゃあ○○ちゃんはここ色塗ってくれる?」など、今までにはあまりかかわりのなかった子との相談も増えてきました。
これは、出来たものをクラスで紹介する様子です。
自分たちで工夫したところ、見てほしいところなどを人前で発表する経験をしました。普段は大きな声で話をしているのに、皆の前だと思ったより伝えるのが難しい子供もいれば、逆に普段は静かですが、作ったものへの思いが強く、大きな声で発表できる子供もいました。
自分の思い入れのある作品を作った子供たちの達成感を感じました。
あまりに、たくさんのゲームが出来たので、"げーむせんたー"として開店し、看板も作り他のクラスにも来てもらうことに...
これは、廊下から、ゲームセンターまで運んでくれる電車です。作った子供たちは大満足で、何回も何回もお客さんを運んでいました。
うさぎ組の子供たちにとっては、普段好きな遊びで一部の子供が楽しんでいる活動を、全体に広げることで、製作活動の経験やねらいとは別に、
"友達と協力して大きなものを作る"というねらいも持って取り組んできました。その中で、トラブルももちろんありました。
「ここは切って窓をつけたい!」「いや、ここは切らずにつなげたい!」等、自分の思いを伝え合う姿が見られました。しかし、そのような経験を経て、出来上がったものを見て、その二人はニコッと笑いあっていました。
【友達と協力する】という言葉はきれいで素敵ですが、実際に協力するということの楽しさ、難しさは、体験した人にしか分かりません。
そう思うと、うさぎ組の子供たちはとても大切なことをやり遂げたのだなと感じています。今日も子供たちの元気な声が聞こえてきます。
「いらっしゃいませー。ゲームセンターで遊びませんかー!?」
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