シリーズ2回目は、ひよこ組についてです。ひよこ組は第1回のきっかけでも書きましたが、自然物にとても興味も持って、保育室に採ってきた葉っぱを飾ったり、どんぐりを種類別に展示したりして遊んでいました。
また、担任が仕掛けをして、
"どんぐり坊やが自分の友達の園庭にある葉っぱや石が逃げ出してしまったから、見つけ出してね"と、お話の世界を用いながら保育をしたことで、今までは園庭に落ちているだけだった自然物に興味を持ち、集めたり、人に見つけたものを見せたりする姿が見られるようになりました。
このような丁寧な保育実践を重ねることで、子供たちはどんぐり村のイメージを広げていきました。
ある日、子供が普段遊んでいる粘土に、どんぐりを入れて「パンみたい」と見立て遊びをしていました。
この"見立て遊び"というのは、先ほどのどんぐり坊やのように、遊びの中でどんぐりを擬人化してままごとごっこの主人公にしたり、粘土を食べ物に見立てたり、砂場で食事を作ったりと保育の中ではとてもなじみ深いものです。また、幼児期の子供にとっては、そこにないものを、あたかもそこにあるように想像し、工夫し新しい遊びを創造していくということは、非常に重要だと言われています。(難しい言葉でいうと、非認知能力と呼ばれています。)
下の写真は、粘土と自然物を使ったパン(に見立てたもの)です。
パン屋さんをしよう! と盛り上がってきたので、ジュースも作りました。下の写真は人形に、
「これはおいしいメロンソーダですよ。どうぞ」と飲ませてあげているところです。
テラス席もできました。テーブルを囲んで、様々な会話が繰り広げられています。
「私ね、大きくなったら警察になるんだ」
「へえ。僕は消防士になるんだ」
「先生は、大きくなったら何になるの?」
「(幼稚園の先生が仕事なんだけど...)そ、そうだな。何がいいかな...」
そんな中、子供たちからある声が挙がりました。
「先生! パンを焼くやつがほしい!」
子供たちは、オーブンを作りたいというのです。先生たちはその思いにこたえ、段ボールと絵具を持ってきました。子供たちは大喜びで色を塗り始めました。
この活動の良かったなと思うところは、教師が子供たちの思いを受け止め、すぐにそれを形にするために一生懸命考えたというところだと思います。
見立て遊びを楽しんでいる子供が、実際に本物に近い作品が作れたとき、本当に目をキラキラさせて喜びます。それは、自分たちでも、こんなに素敵な作品が作れるんだ、頭で考えていることが、現実に形にすることができるんだ、という希望に満ちているからかもしれません。
見てください! この嬉しそうなな顔を。
自分でパンを入れて、オーブンの前で、「ブーン................................................チン」と声を出して温めていますよ(笑) そして、出てきたパンを見て、
「ほら! 見て! あったかくなったよ」ですって。
最終的には、熱いので手袋をすることになりました。
パンに、ジュースに、ピザまで出来たひよこ組ベーカリー。
どうぞ皆さんも一度お越しください♬
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