この日は年長児ぞう組が、大根の種を植えました。
大根の種は筋蒔き(土に直線状に筋を入れて溝を作り、そこに種をパラパラと撒く方法。撒いた後は上から土をかけます。)をします。小さくて、つまみにくい種を丁寧に撒いていました。
さて、突然ですが、皆さんは[土]と「砂」の違いって、わかりますか?
・漢字が違う。(なるほど。)
・砂場と、畑で、使い方が違う。(なるほど。)
一番明確な違いは、
・砂には【有機物】が含まれていないが、土には【有機物】が含まれている。
ということだそうです。ちなみに、有機物とは、バクテリアや虫など、大きな意味で捉えると、「生きている物」の総称です。
なぜそんな話をしたかというと、これが子供の遊びや生活に大いに関係があるからです。
子供たちが普段遊ぶ砂場などは、有機物のない「砂」なので、スコップで掘ったり、山を作ったり、水を入れたり、固めたりして遊んでも次の日には元の状態に戻ります。
しかし、植物を育てるためにある「土」の中には、生き物が入っているので、日々変化します。
普段の遊びでこういったことを意識することはありませんが、たまに、その違いに意識を向ける子供がいます。
「先生! 何で、畑の土から大根の芽が出るの?」
これは、無意識にではありますが、その違いに目を向けているのです。
もっと興味を持つと、土と砂を交互に触ってみて、その粘度(ねばりけ)、色、匂いの違いに気づいたりもします。
子供ってすごいですね。
私たち教職員は、その違いにそっと寄り添い、気づきを共感したり、さらに興味関心が広がるように一緒に触ったりできるよう、日々悩みながら保育に取り組んでいます。
さて、そんな話をしている間に、大根の種から、たくさんの芽が出ました。