先日の3歳児と5歳児のかかわりの様子をお伝えします。
園庭で好きな遊びをしている時に3歳児ひよこ組の子2人がスクーターの取り合いをしていました。お互いにスクーターの持ち手を握って動きません。それを見つけたのが、5歳児ぞう組の子どもたちです。すぐに先生に知らせに来ました。
「せんせい! ひよこぐみのこがけんかしてる!」
見に行くと、確かに互いに黙ってスクーターを握り、すごい表情でにらみあっています。よく見ると、お互いにすごい力で引っ張り合っていたようで、スクーターを持つ手が震えるほどでした。
ぞう組A児「さっきからな、ずっとけんかしてるねん」
ぞう組B児「順番やでって言っても聞いてくれへんねん。先生何とかして」
そこで、こえをかけようかと思ったのですが、ぞう組の子どもたちで知恵を出し合って解決してほしいなと思い、
T「わかった。じゃあ2人がどうやったら仲直りできるか、みんなで考えてみて」
と子どもたちに任せてみることにしました。
すると、いろいろと声をかける子どもたち。
「10秒たったら交代したら? そのかわり、まってるあいだ、わたしとあそぼ!」
「どうしたかったの? いってごらん?」などなど。
でも、ひよこ組の2人は納得しません。すると、ある子がひらめきました。遠くからスクーターを持ってきて、
「ほら! これで2つあるよ!」と声をかけたのです。
すごいなと思ってその様子を見ていると、それでもひよこ組の2人は納得しません。おそらく、今2人が握り合っているのとは違う種類のスクーターだったからです。ぞう組のその子はしばらく考えて、今度はまた違うスクーターを持ってきました。今度は2人が握っているのと同じ色のスクーターでした。
「ほら! これで2つ同じやつがあるよ! どうぞ!」
すると、2人はずっとスクーターを譲らず握っていた手を離し、2台になったスクーターを1台ずつ分けあって乗り始めました。
その姿を見て、ぞう組の子どもたちは、
「よかった! たいへんやったなあ」
と互いに顔を見合わせてホッとしていました。こうして、けんかは無事子どもたちのおかげで解決することができました。これのすごいところはどこかなと考えてみると、
・相手がどうしてほしいのかを考える(相手の立場に立って考える)。
・実際にいろいろと声をかけたり、持ってきたりして試してみる。
昨年までの縦割りと違い、同年齢保育になりましたが、こういった子ども同士のかかわりをたいせつにしていきたいです。