5月29日(木)
職員室の校内公開授業を記すホワイトボードに、3年生数学の授業が書かれていましたので、
1時間目は、数学の少人数分割授業を参観しました。
まず、数学教室に入ったとき、なんとも言えない柔らかい、そして一体感のある教室の雰囲気に
心がホッとなりました。座席配置が工夫されていて、まるで教卓を中心にオーケストラの演奏者が
並んでいるような半円に近い配置となっています。こうなったら、教卓もよけてしまってもいいかも
と感じました。後で聞くと、担当の先生が「学ぶうえで、有効な座席配置を考えてみよう」と投げかけて
完成したものらしく、今後、節目節目で中間チェックをし、改善していくとのことでした。
こういう柔軟な対応ができるのも、少人数指導のいいところですね。
さて、授業の内容ですが、「いろいろな面積の正方形の作図」です。
1マス1㎝の方眼紙に、1㎠、2㎠など、様々な大きさの正方形を作図していきます。
1,4,9あたりはスイスイと作図している様子がうかがえましたが、
2,5となったところで、いったん手が止まってしまいました。長い思考が始まりました。
生徒のみなさんに、深く考えてみようという気持ちにさせる力のある課題ですね。
一見とっつきやすいですが、この課題には、かなり悩ましい事実が隠されています。
3年生は、定規のめもりを使ったり、縦横の直線と直線が交わりあう点(格子点)を直線で結べば
作図することができそうだと考えたりしていましたが、長い沈黙のなか、「あっ!」「わかった!」
と廊下まで声が響きました。数学の教師にとっては、最高の瞬間です。
今日は、3年生の悩み⇒閃き⇒喜び という素敵な反応が見れて、とてもうれしかったです。
そのあと、教室内の全員が気づくまで、自然と対話が広がっていきました。良いつぶやきが連発です!
最後に、3人の生徒が、なぜそうなるのかの説明をしていたのですが、これも素晴らしかったです。
これまで学んできたことで関係ありそうな事項といえば、「面積を求める公式」「図形の移動」
「図形の合同」など、いくつか思い浮かびますが、まさか「等積変形」も理由に使うとは、驚きました。
さて、みなさんも挑戦してみてください。
①1マス1cmの方眼紙上で、面積がN㎠の正方形の作図に挑戦してください。(Nは自然数 N≦10)
② ①で作図した正方形の1辺の長さは、それぞれ何㎝ですか。
今日の3年生の授業内容は、概ねこのような課題でした。電卓使っていいですよ。 校長 大江健規