12月16日(月)
3限目 支援学級にて自立活動の時間を参観しました。この時間、ひまわり学級には異なる学年の生徒の
みなさんが集まっていました。先生も4人いて、少しにぎやかな雰囲気でした。
内容は「私にとっての今年の漢字を交流しよう」というもの。それぞれが、令和6年をふりかえって
漢字一文字で、身のまわりの出来事や印象に残っていることなどを表現しました。
それぞれが個人で考えたのですが、なんと、誰一人、選んだ漢字が重なることはありませんでした。
いつもなら、「では一人ずつ発表」となるところらしいのですが、今日は、ICT端末と「ふせんくん」という
アプリを使うということでした。タブレット端末の画面の中に、掲示板のようなスペースがあり、そこに
2時間目に授業を受けた生徒や担当の先生も含め、「今年の漢字」が貼り付けられていきます。
個性あふれる内容に、「いよいよ年の瀬だなあ」と温かい気持ちになりました。
4時間目は、3年生国語の授業を参観しました。内容は、奥のほそみちの名場面、「立石寺」
松尾芭蕉の「閑さや」から始まる有名は句が登場する一節です。最初に驚いたのは、授業の雰囲気でした。
担当の先生の落ち着いた、穏やかで丁寧は言葉の投げかけ、それに応える生徒のみなさんの前向きな姿勢。
素晴らしく穏やかで、深く作品に入り込んでいく空気に、静かなみちのくの風景の中を、一歩一歩
歩いている芭蕉が、目の前に浮かぶようでした。休み時間などの様子を見ると、3年生は、
いつも楽しくはしゃいでいる元気な印象が強いのですが、こんなに大人っぽい、味わいのある学びの
雰囲気を出すことができるのかと、驚きました。
メインの課題は、「蝉の声」という言葉に込められた意味(暗喩)について、芭蕉の心の奥にまで
踏み込んで読み取ること。ペアワークやグループワークの中で、様々な考察が飛び交います。
途中、グループの枠を超えて声をかけあう場面もありました。「蝉の声がしみ入る」とは。
心の浄化という言葉が、担当の先生によってホワイトボードに書かれたところで、「少し置いておこう」
となりました。そこから、地図を見ながら、芭蕉の旅の足跡を詠まれた句で辿ります。それぞれの場面で
どんなエピソードがあったのか、なぜ芭蕉はその句を詠んだのか?分担して読み解き、次の授業から
グループ内で伝えあう活動へとつながっていく、というところでチャイムが鳴りました。
この単元が終わるときに、3年生のみなさんが「岩にしみ入る 蝉の声」をどう深読みするのか、
とても楽しみです。放課後、今日の授業について、授業担当の先生と教頭先生でふりかえりをしましたが、
一通り話をした最後に、余談として「松尾芭蕉の正体について」という都市伝説の話をしました。
あくまでも余談です笑 校長 大江健規