≪ちょこっとコラム≫竹馬から考える幼児教育

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運動会が終わり、年長児ぞう組は竹馬にチャレンジしています。

竹馬という遊びは昔からありますが、その動きを分解してみると複雑な力が必要だと言われています。

・前後左右のバランスを取る力。

・片足に体重をかける力。

・右手と右足、左手と左足を交互に出すという、普段とは違う体の使い方。

・乗るために必要な要素はその他にもたくさんありますが、「乗りたいと思う強い気持ち」も非常に大切だと考えています。

1段に乗れるようになった子供が増えてきた頃、

先生! 2段とか3段出して!」という声が増えてきました。

1段に乗れたら次の段にチャレンジ! でもよいのですが、バランスを取る練習をする前に高い段に行くと、こけてしまうことがあります。

そのため、子供たちに、

「幼稚園にあるもので、工夫してコースを作ってごらん」と伝えました。

すると、子供たちは倉庫の中から

・カラーコーン

・坂になる木の板

を選んで出してきて、さっそくコースづくりが始まりました。教師は物を出したりするのは手伝いますが、基本的には見守っています。

コースを作っては遊ぶ。遊んではコースを変えるを繰り返しているうちに、どんどん話し合いが生まれています。

竹馬から見える幼児教育2_s.jpg

「この上り坂と下り坂を渡ったら、コーンの森を作ろう!」

「それいいね!」

竹馬から見える幼児教育_s.jpg

「スタートに落とし穴を作ろう!」「えー難しそう」*↑の写真にある○の中に×が書いてあるものが落とし穴だそうです。

落とし穴を渡るためには、大きく足をあげる必要があります。そうなると、片足にしっかりと体重をかけてもう片足を上げるという、かなり高度なバランス力が必要となります。

そして、さらに、コーンの先に、たまたま園庭にあったボールを見つけてきて、サッカーボールも置いて、そこに竹馬でボールを蹴りこんだら終わり、というコースができました。↓下の写真です。

竹馬から見える幼児教育3_s.jpg

この時も、

「なあ、ボールを蹴ったらゴールに入るっていうのはどう?」

「じゃあ、ゴール運ぼう!」「誰か手伝って!」

など、子供たちはたくさんの会話をしています。

[まとめ]

この活動は、「竹馬」という個人的な乗り物への挑戦であり、本来は自分で頑張る遊びだと思います。しかし、その遊びのコースを作ることにより、友達との会話や、コースを工夫しようと考えること、そして、友達と協力してものを運んだりコースの相談をするという営みが生まれました。

教師はそこを支え、見守りながら、子供同士の会話に驚いたり、共感したりしていきます。

今回の竹馬では、子供たちにバランスをとりながら竹馬に乗る力だけではなく、友達と力を合わせたり、時には意見をぶつけ合ったりしながら話し合うことで、さらによい意見を出していく経験ができました。このような力は、小学校以降の話し合いの場でも、大きな力になると思います。

ちなみに、このコースは後日さらに進化して、今では、階段状の台を上ったり下りたり、コーンも小さなものから大きなものにパワーアップして、毎日遊んでいます。そんな遊びをしているうちに、平地での竹馬はいとも簡単に乗れるようになりました。子供の夢中になる力のすごさを改めて感じました。

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このページは、ウェブ管理者が2018年11月 1日 17:59に書いたブログ記事です。

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