今回は久しぶりのコラムです。
さっそくですが真面目な話から。
子どもたちの生活体験は、年々多様化しています。
昔と比べてみると、商店街が減ったかわりに、大型のショッピングモールがたくさんできました。
水筒はコップ付きのものよりも、直接飲み口から飲む形が増えました(ペットボトルの普及に関連しているように思います)
インスタント食品や冷凍食品が充実し、調理済みの物を目にすることが多くなりました。
お茶碗というものが何か、知らない子どももいます。(ままごとをしていても、話が噛み合わない時があります)
そして、今回の保育内容にも関連していますが、「買い物」というものも、変化してきているように思います。買い物をする場所はもちろんですが、現金ではなくカードで支払うようになると、お金のもつ意味や価値についても変化してきています。実際、いつも現金で買い物をしている家庭の子どもたちと、カードで買い物をしている家庭の子どもたちでは、≪お金≫への関心が違うということがありました。
こういう子どもたちの姿から、
『みんなで買い物に行きたいな』と、職員で思っていた時に、ちょうどある子どもが、「この前な、お兄ちゃんと一緒に宇治書店(併設している小学校のすぐ横にある駄菓子を売っているお店)でおやつ買って楽しかったわー」という会話をしていました。それを聞いて『これだ!』と思いたち、年長児かえるチームがクラスごとにおやつを買いに行くことにしました。
おやつの予算は、1人50円です(笑)
子どもたちに50円だと伝えると「それってどれぐらい?!わからへん」という子もいれば、「10円が5枚ってことやんな。あっ50円玉ってのもあるよな」という子もいました。
知っている子も、知らない子もいていいんです! だからこそ、みんなでお買い物に行くことに意味がある。初めての子どもにとってはドキドキワクワク、よく知っている子どもにとっては、ちょっぴりほかの友達に教えてあげたりできるチャンスです。
そして、いよいよ... 出発!
まずはパイナップル組から出発しました。
小学校の中を通らせてもらって...
学校の門を出るとすぐに到着です!
お店の方に、みんなであいさつ
そして、こちらはココナッツ組の様子です。
「これは10円やねんて」「これは何?」「お店の人に聞いてみようと」「えー恥ずかしい」「これはラムネだよ」「ありがとう」など、たくさんの会話が繰り広げられていました。
そして商品が決まったら、先生から50円をもらって、お店の人に手渡しをし、商品を袋に入れてもらいました。
・自分で食べたいもの、気になるものを選ぶ
・選んだ物の値段を知る
・値段にあったお金を支払う
・お店の人とやりとりをする
この中に、小学校以降の学びの基礎がたくさん息づいている気がしました。お金のことは算数かかわってきますし、物の価値を知るというのは社会的な知識になります。そして、自分で自分の食べるものを選ぶ自己決定力、お店の人にお礼を言ったりあいさつするのは人間関係づくりと、あげればきりがないぐらい、この買い物にはたくさんの意味がありました。
最後に、うれしくなって、お店の方と記念撮影までしました(笑)
宇治書店さん、いろいろとご協力いただき、ありがとうございました!
さて、そして買い物に行ったのは5歳児ですが、4歳児だって買い物を経験してほしい!
ということで、保育室に駄菓子屋さんを作って、画用紙のお金でお店屋さんごっこをしました。
この中から、自分たちで好きなおやつを選びました。
「どれにしようかな」
「これもおいしそうだね」
「お金はっと...」
「はい!50円です」「自分で袋に入れるんだ!」
そして、7月の誕生会で、自分で選んだおやつを食べました。買い物に行くことをおもいたってから、たくさん話をして時間をかけて食べたおやつは、とてもおいしかったようです。
子ども達の笑顔を見ていて、これからも、子ども達の生活体験が豊かになるような保育を工夫していきたいなと思いました。
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