今回がラストです。
琵琶湖に突き出た安曇川の三角州上で湖岸から離れた161号線は、近江高島駅付近から琵琶湖岸に最接近しますが、そこで目に入るのが琵琶湖に浮かぶ大鳥居の白髭神社です。最近では関西の絶景として取り上げられることもあるので、ご存知の方も多いのではないでしょうか? 我々はそんなものがあるとは知らず走っていましたので、湖上の鳥居を珍しそうに眺めていました。
その後、新快速電車の停車駅である堅田駅を通ったのですが、自動販売機で大判の入場券を売っているという珍しい感覚に触発されていつも通り1枚購入しました。駅舎も割と大きく、周辺も賑わっていたので、てっきり堅田市だと思っていたら、なんと滋賀県の県庁所在地大津市だったのです。大津市は琵琶湖の南端部という印象があったので、「大津市ってどんだけ大きいねん!」とひとりごちました。
なおも161号線を南下すると、正面に何やら怪しげな建物が見えてきました。ホテルのような大きな建物ですが、全体的にどす黒く、使われている様子がありません。近づくにつれて不気味さは増大し、まるで幽霊でも住んでいるかの様相です。これは数年後の1992年、日本で初めて(唯一?)ダイナマイトによる爆破解体が行われたビルだったのです。その後何度もこの161号線を走ることになるのですが、怖いもの見たさというのか、そのビルを見るのが楽しみになりました。
このように、私たちのツーリングを支え楽しませてくれた国道161号線ですが、有料道路である湖西道路(161号バイパス、現在は無料)の開通によってその名を譲り、国道としての役目を終えた自身は現在県道として多くの人々の足を支え続けているようです。
その後、大津市街地で合流した国道1号線で、再び逢坂山を越え、京都から吹田へと帰ってきました。かくして、一応前回の反省をもとに1泊2日で企画した琵琶湖一周は、生徒手帳不携帯など多くの失敗を残しながらも無事に終わったのです。でも、開少年の琵琶湖一周物語はこれで完結というわけではなく、結果として、やはり1日で完走したいという思いを強くしたツーリングとなりました。
湖上に浮かぶ白髭神社の大鳥居
券面表示がほとんど消えてしまった堅田駅自動販売機での大判入場券。読めますか?
物語には登場しなかった琵琶湖大橋です
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