7月20日発行の学校だよりの続きです
「おぇ~、おぇ~!」胸の苦しさに耐え切れず、目を開けると、開少年は何が起こったのか全く理解できないまま、ただ大人の男の人に両脇を抱えられて川の土手を引きずられていたのです。アニメのように口から魚やオタマジャクシが出てくることはありませんでしたが、多量の水を飲んでいたようで、嘔吐を繰り返し、苦しいと言ったらありません。そうです、近所の運送会社に勤務する男性がたまたま通りかかって、一緒に遊んでいた友人のSOSにより川に飛び込んで引き上げてくれたそうです。後から聞いた話では、開少年の腕の一部が水面からかすかに見えていたため、助け上げることができたそうです。もう少し遅れていたらと考えるとゾッとします。引き上げられた開少年の目の前に流れていたのは三途の川ではなく、いつもと変わらぬ神崎川でした。ほどなく救急車が到着し、病院へ搬送されることとなりましたが、ずぶぬれの身体で救急車のベッドに横たえられた彼は、毛布の柔らかさとぬくもりに包まれ、「救急車って気持ちのいいもんやな。」と感じた次第です。 (続く)